南北が「9・19軍事合意」に基づいて地雷を除去し、警戒所や兵器を撤収した板門店(パンムンジョム)共同警備区域(JSA)の南側地域を、来月1日から見学できる。板門店が非武装化されてから初めての開放だ。板門店見学は南北の非武装化措置の履行に向け、昨年10月に中止された。
国防部は29日、「南北軍事合意の履行過程でしばらく中止されていた板門店見学を来月1日、南側地域で再開する」と発表した。板門店宣言1周年を記念し、今後行われる南北地域の自由往来に備えるとともに、長期間続いている南北と国連軍司令部による3者協議を促進するための処置だと、国防部は説明した。
南北は9月の平壌(ピョンヤン)首脳会談で、板門店共同警備区域の非武装化などの内容を盛り込んだ9・19軍事分野の合意書に署名した。これによって、南北と国連軍司令部は、地雷除去(2018.10.1.~20)▽監視警戒所および火器の撤収(2018.10.21.~25)▽3者共同検証(2018.10.26.~27)▽監視装備の調整に向けた現場調査(2018.11.12.~13)などの履行措置を完了した。以降、訪問客らが共同警備区域内で南北地域を自由に往来できるよう、共同勤務および運用の規則を設けるための3者協議を続けてきたが、まだ合意に至っていない。軍の通信網を通じた文書交換方式で協議が行われている同規則が制定されれば、北側地域まで自由に行き来できるようになる。
国防部は「分断と対立の場所から平和と和合の場へと変身を遂げた板門店を、訪問客らが実質的に体感できるよう、国連軍司令部と緊密に協議した」と明らかにした。国防部は「徒歩橋や記念植樹場所など、4・27南北首脳会談の主要現場を直接経験できるよう、見学場所を拡大する予定」だとし、「武器を携帯しない南側警備兵らの案内で、今後、南北が共に勤務する監視警戒所を確認するなど、非武装化された板門店を経験できるだろう」と説明した。以前は板門店T1(中立国監督委員会会議室)やT2(軍事停戦委員会本会議室)、T3(軍事停戦委員会小会議室)の建物前まで開放された。
板門店見学は団体単位(30~45人)でしか申し込めない。一般国民は国家情報院ホームページ(www.nis.go.kr:4016)で、学生や教師、公務員は南北会談本部ホームページ(dialogue.unikorea.go.kr)で申し込みできる。外国人は旅行会社を通じて申し込まなければならない。旅行会社の連絡先は、国家情報院と南北会談本部のホームページに記載されている。板門店見学が再開される最初の週には、学生などを対象にモデル運営し、次第に見学の範囲を拡大していく予定だと、国防部は発表した。