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「光化門大統領府」実現せず…専門家ら「世宗市に第2執務室を」

登録:2019-01-07 09:35 修正:2019-01-07 16:58
光化門大統領時代、警護・儀典問題で保留 
「世宗市の第2執務室案を無視している」と指摘 
均衡発展・行政効率・住宅価格の安定のために望ましい
大統領府本館の全景。この本館にある大統領執務室を光化門の政府庁舎に移そうとした計画が今月4日、保留となった//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の代表的な大統領選挙公約である大統領府の光化門(クァンファムン)への移転が、事実上取り消しになった。これと関連し、世宗市(セジョンシ)と均衡発展専門家たちは、今回の発表で大統領府が世宗市への執務室の移転案には言及しなかった点を指摘した。国民との疎通や大統領府の開放、行政効率、均衡発展など長所が多い大統領府の世宗市への移転案を、大統領府が無視するのは理解しがたいということだ。

 4日、ユ・ホンジュン光化門時代諮問委員は大統領府で「大統領府本館と迎賓館、ヘリポートなどの代替敷地を光化門近くで探すことができないという結論を下した。文大統領も警護・儀典というものが複雑で難しいことを認めた」と明らかにした。2017年の大統領選挙当時、主要な公約だった「光化門大統領時代」を実現するのが難しいという発表だった。光化門時代の議論には、ユ委員やイ・ヒョサン国家建築政策委員長、ハ・スンチャン元大統領府社会革新首席、チョ・ミョンレ環境部長官など、現政府の多くの主要人物らが参加してきた。

 ところが、地方政府と政界、専門家たちは今回の発表で、光化門大統領府の代案として、世宗市への大統領府の移転が取り上げられなかった点について懸念を示した。イ・ミンウォン前国家均衡発展委員長(光州大学教授)は「光化門への大統領執務室の移転を取り上げながら世宗市について言及しなかったのは心配だ。大部分の政府が移転してきた世宗市に大統領府があるのは常識だが、この点を文在寅政権が見過ごしている」と述べた。イ前委員長は「共に民主党のイ・へチャン代表が発表した122の公共機関の地方への追加移転について、文在寅政権がまだ何も立場を発表していないのも残念だ」と述べた。共に民主党のチョ・スンレ議員も6日、フェイスブックアカウントに「第2大統領府を世宗市に設置すれば、地域均衡発展、地方分権を拡大する推進ロケットとなる。敷地の確保など実務的な問題はいくらでも(解決)可能だ」と明らかにした。

 世宗市では以前から改憲前の第2大統領府の移転、改憲による大統領府全体の移転を要求してきた。大統領府と国会の移転候補地も暫定的に決めている状態だ。世宗市のイ・チュンヒ庁長は「光化門大統領府はだめだったが、世宗市の第2執務室は今からいくらでも設置できる。すでに世宗市が行政府の中心的な役割を果たしているため、ここに実用的で簡素な執務空間を設けることが望ましい。現在推進中の世宗庁舎の新庁舎に大統領第2執務室を設置する案も可能だ」と述べた。

 中央行政機関の60%以上が世宗市に移った状況で、行政機関の首長である大統領がソウルに常駐して発生する行政非効率を解消しなければならないという主張もあった。政治評論家のイ・ガンユン氏は「大統領府を世宗市に移して業務効率を高めるのが対民サービスの第一歩だ。今、公務員らが世宗市からソウルを行き来するためにどれくらい時間とお金を道に捨てていることか。国会も世宗に移ってきちんと働く機関に変わらなければならない。それが将来のために必要なことだ」と指摘した。

 最近、地方の国民に大きな劣敗感を与えたソウルの住宅価格急騰と関連しても、世宗市への大統領府移転は必要だという声が高い。ピョン・チャンフム国家均衡発展委員(世宗大学教授)は「最近発表されたソウル住宅価格対策である3期新都市、首都圏広域急行鉄道などがむしろソウルへの集中を強化するという不満がある。こうした側面から、大統領府の機能を世宗市へ移転するのは確かに実効性のある措置」だと述べた。

オ・ユンジュ、キム・ギュウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/877240.html韓国語原文入力:2019-01-07:40
訳M.C

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