文在寅(ムン・ジェイン)大統領が15日、北東アジア6カ国(韓国、北朝鮮、中国、日本、ロシア、モンゴル)と米国が共に進める「東アジア鉄道共同体」を初めて提案した。朝鮮半島の平和と南北経済協力を北東アジア多国間平和安保体制と東アジア経済共同体に拡大するという構想を示したのだ。文大統領はまた、京畿道と江原道の接境地域に統一経済特区を設置するという計画も発表した。
文大統領は同日、ソウル龍山(ヨンサン)国立中央博物館で開かれた第73周年光復節記念式典での演説で、「京義線と京元線出発地だった龍山から今日、北東アジア6カ国と米国が共に進める『東アジア鉄道共同体』を提案する」とし、「この共同体は、私たちの経済地平を北方大陸まで広げ、北東アジアの共生繁栄の大動脈となり、東アジアエネルギー共同体と経済共同体に繋がるだろうし、北東アジア多国間平和安保体制に進む出発点になるだろう」と述べた。彼は「(4月27日)『板門店(パンムンジョム)宣言』で合意した鉄道、道路の連結は年内に着工式を行うのが目標」だとし、「鉄道と道路の連結は、朝鮮半島の共同繁栄の始まり」だと強調した。
文大統領はさらに、「平和が経済」とし、「軍事的緊張が緩和され、平和が定着すれば、京畿道と江原道の接境地域に統一経済特区を設置する」と明らかにした。彼は統一経済特区が「多くの雇用と共に、地域と中小企業が画期的に発展する機会になるだろう」と説明した。
文大統領は、開城の南北共同連絡事務所の開設もまもなく行なわれると明らかにした。彼は「数日後には(事務所が開設され)南北が24時間365日疎通する時代が来るだろう」と述べた。大統領府関係者は「来週に開設される見込みだ」と話した。
文大統領は南北関係の進展をもとに、膠着状態にある朝米間の非核化交渉局面を突破するという意志も示した。彼は「来月私は平壌を訪問する」とし、「『板門店宣言』の履行を首脳間で確認し、朝鮮半島の完全な非核化と共に、終戦宣言と平和協定に進むための大胆な一歩を踏み出すだろう」と述べた。彼は「朝鮮半島問題は私たちが主人という認識が非常に重要だ」とし、「南北関係の発展こそが朝鮮半島の非核化を促進させる動力だ」と強調した。さらに、彼は「北朝鮮の完全な非核化の履行とこれに見合う米国の包括的措置が迅速に進められることを望んでいる」として、朝米両側に促した。
文大統領は演説で、「親日賦役の歴史は決して我が歴史の主流ではなかった」とし、自負心も強調した。彼は「我が国民の独立闘争は、世界どの国よりも熾烈で、先烈たちが決死の覚悟で共に戦い、勝ち取った結果だった」と述べた。文大統領は同日、日本に向けて過去の歴史に対する反省を促すなどの発言を控え、「安倍首相とも韓日関係を未来志向的に発展させていくと共に、朝鮮半島と北東アジアの平和と繁栄に向けて緊密に協力することにした」として、両国の協力を強調した。