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北朝鮮代表団「中国のシリコンバレー」など相次いで訪問

登録:2018-05-16 05:46 修正:2018-05-16 07:05
「経済建設に総力集中」新しい戦略路線の後続措置 
金正恩流改革開放の可能性を模索
北朝鮮労働党機関紙の「労働新聞」の関連報道//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が中国の習近平国家主席と40日間隔で2度にわたり首脳会談を行ったことで、朝中協力が関心事として浮上している中、14日に電撃訪中した北朝鮮高官級代表団が2日連続で中国の先端科学技術経済、農業現場を視察した。

 北朝鮮労働党機関紙の「労働新聞」と「朝鮮中央通信」などは、パク・テソン労働党中央委副委員長を団長とする「朝鮮労働党親善参観団」が14日、平壌(ピョンヤン)を出発し、中国に向かったと報じた。参観団にはキム・ヌンオ平安北道党委員長やキム・スギル平壌市党委員長、リュ・ミョンソン党国際部副部長(元農業省局長と推定)なども含まれた。

 「親善参観団」の訪中は、まず労働党中央委7期第3回全員会議で採択した新しい戦略路線「社会主義経済建設に総力集中」と関連した後続措置と見られる。さらに、朝米首脳会談以降の情勢の緩和を見据えた(南北経済協力と並行する)朝中経済協力関連の協議や「金正恩流経済改革・開放」の可能性の探索など、様々な目的のためというのが、大方の専門家らの分析だ。

 実際の参観団団長のパク・テソン副委員長やキム・スギル平壌市党委員長などは、党中央委全員会議の際、金正恩国務委員長の2番目の議政報告テーマである「科学教育事業の革命的転換」関連の討論者を務めた。当時、金委員長は「科学で飛躍し、教育で未来を保障しよう」という戦略スローガンを掲げ、科学技術強国、人材大国の建設に拍車をかけようと呼びかけた。

 親善参観団は訪中初日の14日、「中国のシリコンバレー」と呼ばれる中関村を訪問し、中国科学院文献情報センターなどを視察した。北京の西地域の大学街に位置した中関村は、2万社以上の先端技術企業が集まっている創業の産室だ。百度(バイドゥ)やレノボ、小米(シャオミ)など世界的な中国企業が全てここで始まった。参観団は、15日には中国の先端農業技術の現場である農業科学院の作物科学研究院や農業科学技術展示館などを視察し、関係者たちと意見を交わした。さらに、参観団は中国の首都圏を統合発展させようとする京津冀(北京・天津・河北)開発区のひとつである天津と、習近平主席が積極的に開発中の雄安新区の建設現場を視察するものと見られている。

 恩情(ウンジョン)先端技術開発区と江南経済開発区がある平壌(ピョンヤン)市と、特殊経済地帯である新義州(シンウィジュ)特区と清水(チョンス)観光開発区がある平安北道の党委員長が参加団に含まれたことから、金正恩委員長が改革・開放に向けた動きを本格化しようとしているのではないかという分析もある。ク・ガブ北韓大学院大学教授は「市・道党委員長が直接中国の一歩前進した経済開発現場を訪問したのは、北朝鮮地域の経済開発区と関係があると思う」とし、「今後、制裁解除の局面に中国の資本と企業を誘致するためと見られる」と指摘した。北朝鮮経済専門家のヤン・ムンス北韓大学院大学教授は「中国と協力の可能性を探るもの」とし、チョ・ボンヒョンIBK経済研究所副所長も「朝中が情報・科学技術中心の経済協力を自然に協議するものとみられる」と指摘した。

ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/844769.html韓国語原文入力:2018-05-15 22:28
訳H.J

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