本文に移動

わが道を行く洪準杓…板門店宣言の国会批准は「韓国党パッシング」?

登録:2018-05-01 08:22 修正:2018-05-01 09:26
韓国党の洪代表、連日「南北偽装平和ショー」 
韓国党を除く与野4党は、国会批准に同意 
一人孤立した韓国党をパッシングする可能性あるが 
政府・与党、党派超越した合意の履行が必要
キム・ソンテ自由韓国党院内代表など指導部が27日午前、南北首脳会談を視聴している=カン・チャングァン記者//ハンギョレ新聞社

 4月27日、南北首脳会談で「完全な非核化」を明文化した「板門店(パンムンジョム)宣言」が出たが、国会で批准同意を得るまでにはかなりの曲折が予想される。現在「板門店宣言」の国会批准に公式に反対する党は唯一、自由韓国党のみだ。

 板門店宣言の国会批准同意は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の合意事項を「制度化」するという意味を持つ。2000年と2007年の南北首脳会談で出た「6・15共同宣言」と「10・4共同宣言」はいずれも国会批准を受けることができず、まともに履行されなかったという評価が出ている。このため、文大統領は南北首脳会談に先立つ先月、国会批准を受けることを決めた。

 しかし、自由韓国党は洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表を中心に4・27南北首脳会談を「南北偽装平和ショー」とさげすみ、国会批准に反対を主張している。洪代表は先月27日「板門店宣言」が出た直後の午後6時にフェイスブックを通じて「結局、南北首脳会談は金正恩と文政権が合作した南北偽装平和ショーにすぎなかった」とし、「金正恩が読み上げた通りに書き取ったものが南北首脳会談発表文」だと述べた。28日には「今回の南北共同宣言は、以前の南北宣言にもまして具体的な非核化の方法すら明記していない言葉の供え物にすぎない」と書き、29日には「一度だまされればだましたやつが悪く、二度だまされればだまされたやつが馬鹿で、三度だまされればその時は共犯になる。8回だまされても9回目は本当だと信じて首脳会談を行ったのでしょうか?」と批判した。

 キム・ソンテ自由韓国党院内代表も29日、国会本館前で開かれた「コメント操作糾弾および特検を求める大会」に出席し、「晩餐会場で自分たちだけの宴をして媚びを売った人たちが何の良心をもって批准の話を切り出すのか」と話した。キム院内代表は30日、院内対策会議でも「正常国家でない国家と実現した会談の結果を、一言も国会との事前協議もなく、また国会手続きを求める協議もなしに批准を云々するとは、国会を無視するにもほどがある」と批判した。

 しかし、このような自由韓国党の声は、国会で孤立している状態だ。与党の共に民主党と民主平和党、正義党は29日、論評などを通じて「国会批准で板門店宣言の履行と実践を後押ししなければならない」という趣旨の意味を明らかにした。クォン・ソンジュ正しい未来党代弁人も28日、「南北首脳間の合意文が国会批准を通じて推進力を確保できるようにしなければならない」とし、「批准に向けた国会正常化が早急に行われなければならない」と論評した。

 正しい未来党の安哲秀(アン・チョルス)ソウル市長候補も28日、フェイスブックを通じて「いまや合意よりもっと重要な履行に向けて進まなければならない」と書いた。ハ・テギョン正しい未来党最高委員はこの日フェイスブックで「洪代表と韓国党はパニックになるでしょう。もう戦争商売、アカ批判商売ができなくなりますから」とし、韓国党を批判した。「板門店宣言」の評価をめぐり与野4党と韓国党の意見が分かれ、「ドゥルキング事件」特検導入をめぐり形成された「韓国党、正しい未来党・平和党」の構図が崩れたと見られる。

 世論も自由韓国党の反応と異なる方向に流れている。世論調査機関「リアルメーター」が30日発表した世論調査の結果によると、「北朝鮮の非核化や平和の意志」について回答者の64.7%が「信用する」と答えた。「信用しない」という回答は28.3%にとどまった。「以前には信用しなかったが、今は信用するようになった」という回答も半分を超える52%を記録した(4月27日実施。全国19歳以上の成人男女500人。95%信頼水準±4.4%ポイント)。4.27南北首脳会談を契機に、国民の認識に相当な変化が生じたということを知ることができる。

 このために韓国党の中では指導部と異なる声も出ている。自由韓国党所属のナム・ギョンピル京畿道知事は28日、フェイスブックを通じて「文在寅大統領!お疲れ様でした。国民とともに『ハッピーエンド』になるよう、拍手をもって応援します」と書いた。ナム知事は30日、CBSラジオのインタビューでも「朝鮮半島が非核化され、これからまた統一の道まで行くことを願う国民が大半だ。同じ気持ち」と話した。ただし、国会批准については「批准の問題は大統領が取り出すのが早すぎた。これはあまり急いではいけない」と留保的な姿勢を示した。

 韓国党が反対しているものの、与野党の議席数だけで見れば、「板門店宣言」批准同意案は通過が可能だ。民主党(121議席)、民主平和党(14議席)、正義党(6議席)、平和党性向の正しい未来党の比例代表(3議席)、民衆党(1議席)、無所属の丁世均(チョン・セギュン)国会議長、全羅道に地域区を持つ無所属のソン・クムジュ、イ・ヨンホ議員を全て合計すれば148議席だ。現在、国会在籍議員(293議席)の過半数基準(147席)を超える数だ。これ以外に正しい未来党議員も参加すれば、賛成数はさらに多くなる。このため政界内外では「韓国党パッシング」の可能性まで予想されている。

 しかし、政府・与党内では、韓国党を排除した板門店宣言批准については慎重に検討しなければならないという声も出ている。批准の目的自体が党派と政権を超越した合意の履行であるため、多くの議席を占めている第1野党が参加してこそ批准の意味と効果がきちんと現れるためだ。

ソンチェ・ギョンファ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/842654.html韓国語原文入力:2018-04-30 22:23
訳M.C

関連記事