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激しい氷上スポーツ南北単一チーム、平和五輪興行の先鋒となるか

登録:2018-01-15 04:52 修正:2018-01-15 08:33
現実味帯びてきた女子アイスホッケー南北単一チーム 
 
単一チームエントリー増やして北朝鮮選手6人合流 
実力の差なく組織力の維持にも問題なし 
メダル圏外ながらも単一チーム自体に大きな意義 
 
予選最終試合の日本戦に注目集まる 
共同応援の中、全世界の耳目が集中 
「南北が一つになって戦う氷上を想像しただけでも…」
2017年4月江原道江陵で開かれた女子アイスホッケー世界選手権大会で南北試合を終えた選手たちが国際アイスホッケー連盟の関係者たちと共に記念撮影を行っている//ハンギョレ新聞社

 南北が五輪出場史上初めて、女子アイスホッケーの種目で単一チームの構成に合意した中、15~16人の北朝鮮選手を南に送って合同練習をした後、6人前後の選手を単一チームに最終的に合流させることにしたのは、アイスホッケー種目の特性のために可能となったシナリオだ。

 女子アイスホッケーはチームエントリーが23人(ゴーリー3人)で、このうち22人が出場する団体種目だ。試合はゴーリー(ゴールキーパー)1人にフィールドプレーヤー5人(守備2、攻撃3)が行うが、フィールドプレーヤー5人ずつで構成された4組が随時交代で投入される。氷の上で急ブレーキや急カーブを繰り返すなど素早く動き、瞬時に力を発揮しなければならず、30秒以上走ると筋肉が硬直してしまうため、フィールドプレーヤー20人全員が出場する。

 北朝鮮選手15~16人が韓国代表チームと合同練習を行うことになれば、セラ・マリー韓国チーム監督などが単一チームに必要な6人程度を選抜する予定だ。韓国チーム23人など計29人の単一チームエントリーは、国際オリンピック委員会(IOC)と国際アイスホッケー連盟(IIHF)が協力し、北朝鮮にワイルドカードを与えることで解決するものとみられる。

 単一チームの北朝鮮選手を6人程度に制限したのは、単一チームの意味を活かしながらも韓国選手たちの被害を減らすための合理的な選択だ。北朝鮮選手が少なすぎる場合、単一チームとしての雰囲気が出ず、多すぎる場合はチームの組織力に問題が生じる恐れがあるからだ。

 単一チームは、平昌五輪B組でスイス(2月10日)、スウェーデン(12日)、日本(14日)と戦うことになるが、試合ごとに選手を変えて22人を出場させる。北朝鮮選手を2人入れた場合、一試合に韓国選手2人が出場できないが、3試合に臨むため、エントリーから外れた選手たちも残りの2試合でプレーできる。

 女子アイスホッケーチームは、南北(韓国21位、北朝鮮25位)間の実力差が小さく、開催国の出場資格であるため、入賞を期待できるレベルではない。歴代戦績は2勝4敗で北朝鮮が優位を占めている。今回の五輪で少なくとも1勝するなどの“異変”を期待するアイスホッケー男子チーム(韓国21位、北朝鮮39位)とは状況が異なる。

 10日間という短い合同練習と北朝鮮選手の合流は、組織力に大きな影響を与えないものと見られる。アイスホッケーの関係者は「フィールドプレーヤー20人のうち北朝鮮選手が2人であるため、既存の韓国代表チームが大きく負担を感じるほどの規模ではない。北朝鮮も訓練をしてきたはずだ。短い期間で呼吸を合わせられるだろう」と話した。

 南北五輪史上初の単一チームの構成は世界平和を大原則に掲げた五輪運動の方向と一致する。これに先立ち、分断ドイツ(東ドイツと西ドイツ)が1956年のコルティナ・ダンペッツォ冬季五輪から1964年の東京夏季五輪まで、合わせて6回にわたり「東西ドイツ合同選手団」で単一チームを構成したことがある。

 女子アイスホッケーの単一チームには全世界のメディアの関心も集まると予想される。特に南北共同応援団の歓声の中で行われる2月14日(午後4時40分)の日本戦は、勝敗にかかわらず、南北の国民に強烈なメッセージを伝えるものと見られる。平昌五輪を準備するある競技団体の役員は「南北の選手らが共に汗をかき、共に勝利に向けて努力し、試合が終わった後、ヘルメットを脱いで観客に挨拶する姿は、想像するだけでも胸が一杯になる」と期待感を示した。

キム・チャンクム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2018-01-15 05:00

https://www.hani.co.kr/arti/sports/sports_general/827713.html

訳H.J

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