延命医療決定のテスト事業の一カ月間、延命医療を中断したり、最初から受けない末期患者7人が合法的に死亡したことが分かった。特に、末期患者になった時に延命医療を受けないという事前延命医療意向書も一カ月で2千件以上作成されたものと集計され、これから臨終文化が変わるという重大な契機になるという解釈が出ている。今年初めに国会を通過した「ホスピス・緩和医療および臨終の過程にある患者の延命医療の決定に関する法律」(延命医療決定法)は、来年2月に本格施行される。
28日、保健福祉部が公開した延命医療決定のテスト事業の中間結果によれば、去年10月23日~11月24日、延命医療中断または拒否決定で死亡に至ったケースは全部で7件あった。このうち、延命医療計画書を提出し延命医療を中断した事例は2件であり、計画書を書いていないが患者の家族2人以上の供述により延命医療を受けない事例は4件だった。また、計画書を作成しておらず、延命医療に対する患者の普段の考えは分からないが、患者家族全員の合意で延命医療を受けいないケースも1件あった。
この期間、末期患者が医師の相談を受けた後、延命医療計画書を作成した場合は11件だった。末期がん患者が10人、慢性閉鎖性肺疾患者が1人だった。計画書は末期患者や家族が医師と十分に相談した後に作成されるが、まだテスト事業初期段階であるため、計画書作成は多くなかった。このため、計画書によって延命医療が中断されるよりは、患者家族の意思の反映がより多いものと解釈される。
一カ月間で事前延命医療意向書は全部で2197件作成され、臨終計画に対する社会的な関心が反映されたという評価だ。年代別では70代が最も多く、60代、50代の順だったが、20~40代も200件を超えた。また、テスト事業最初の週に200件あまりから先週(20~24日)には680件あまりが作成され、毎週急速に増えている。延命医療決定法が本格的に施行されれば、意向書作成が大幅に増える見通しだ。
福祉部は来年2月に延命医療決定法の本格的な施行を控え、テスト事業期間やそれ以前から提起されてきた問題点を改善する方針だ。まず、現在心肺蘇生術、人工呼吸器などのような延命医療の対象となる医学的治療を大統領令で追加できるように推進し、末期・臨終期の患者だけでなく、数ヵ月以内に臨終の過程にあるものと予測される患者も延命医療計画書作成を可能にする計画だ。また、末期患者診断後にホスピス専門機関でホスピスを提供されている患者に限り、担当医師1人が臨終過程にある患者として判断できるようにする案も推進される。
しかし、依然として医療界では本格的な法施行になると、大きな混乱が現れることを憂慮している。ソウル大学医学部のユン・ヨンホ教授は「テスト事業期間はテスト医療機関で意向書や計画書を作成した事例について重点的な研究が行われているが、実際にはこのような計画書などがない状態で、応急室、重患者室、一般病室などに入院している患者がみな延命医療決定の対象になるだろう」とし、「来年2月から医療の現場で見られるさまざまな事例に対するシミュレーションを構成し、これに対する対策を立てなければならない」と指摘した。