韓米が、朝鮮半島への米軍戦略兵器の常時配備をめぐる合意に失敗するなど、足並みが乱れたのは、韓国の一方的要求とそれを負担に思った米国の立場がぶつかり合ったためと分析される。
韓国政府が19~20日(現地時間)、米ワシントンで開かれた韓米「2+2会議」(外交・国防長官との合同会議)と韓米年次安保協議会(SCM)を控え、朝鮮半島への米軍戦略兵器の常時配備の合意を実現させようとした意図は、随所で感じ取れる。ユン・ビョンセ外交部長官は19日、2+2会議後の記者会見で「米国戦略資産の常時配備問題が韓米年次安保協議会で議論されると予想する」として、担当外の分野に対する異例の言及で口火を切り、その後、国防部当局者が米ワシントン現地で一部の記者たちにこの問題に対する韓国側の腹案を説明した。事実上、米軍の戦略資産の常時循環配備を既成事実化したも同然だ。しかし、20日、年次安保協議会の後に発表された共同声明やハン・ミング国防部長官とアシュトン・カーター米国防長官の共同記者会見では、朝鮮半島への米戦略兵器の常時配備をめぐる合意は発表されなかった。
韓国が米軍戦略兵器にしがみついているのは、先月、北朝鮮の5回目の核実験以降、可視的な成果にこだわっているためと分析される。まず、セヌリ党など政権層内部から提起された核武装論や原子力潜水艦の導入論について、それなりの代案を提示しなければならないという負担が働いたものとみられる。米軍の戦略兵器とはB52、B1B、B2などの長距離戦略爆撃機、原子力空母、原子力潜水艦を指すもので、核兵器の搭載や長距離移動、広範囲な破壊能力を兼ね備えている。核武装論を相殺する切り札といえる。
また、政権レベルで追加の対北朝鮮制裁が論議されていることを考えると、北朝鮮に対する軍事的な強攻策が必要であるという雰囲気も影響を及ぼしたようだ。米軍戦略資産の常時配備は、それほど北朝鮮の挑発威嚇が深刻であることを国際社会はもとより、韓国世論にも象徴的に見せつけるものである。
しかし、米国は軍事的・政治的理由からこうした韓国の要求を拒否したと分析される。まず、戦略資産を朝鮮半島に配備することが北東アジア安保環境にもたらす影響に対する懸念があったものと見られる。戦略資産は核兵器と関連した兵器体系であるため、北朝鮮はもちろん、中国など周辺国の反発が大きいことが予想されるからだ。実際に、中国は2010年に天安艦沈没後、米国の原子力空母が西海(黄海)に進入しようとしたのに対して強く反発した。これまで戦略資産の朝鮮半島への出動は、計画された訓練以外には北朝鮮の核・ミサイル実験のように緊張が高まった状況で行われた。戦略資産の常時配備が朝鮮半島の緊張高揚の常時化として受け止められかねない状況を、米国が容認するのは容易ではなかったものとみられる。
戦略資産の運用面でも、朝鮮半島への常時循環配備は負担だ。戦略資産を配備するためには、関連支援施設も必要となるが、その費用をどうするかの問題もある。また、既存の米国の全般的な戦略資産運用計画も変えなければならないため、米国としては精密検討もなく履行するのは困難な状況だ。米国が来月に大統領選挙を控えている点も要因となったと見られる。2カ月後には退任するオバマ政権が、重要な軍事的決定を下すことは難しいからだ。