北朝鮮は、スカッドとノドンミサイルと推定される弾道ミサイル3発を発射した翌日の20日、金正恩(キムジョンウン)労働党委員長の現地指導を受け、「米帝(米国)の核戦争装備が投入される南朝鮮(韓国)の港や飛行場」を目標にした訓練だったと明らかにした。北朝鮮は釜山(プサン)・蔚山(ウルサン)地域を弾着地点として表示した地図まで公開し、慶尚北道星州(ソンジュ)へ配備が決まった在韓米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD<サード>)の無用性を強調しようとする意図を示した。
北朝鮮の朝鮮中央通信は同日、「朝鮮人民軍戦略軍・火星砲兵部隊の弾道ロケット発射訓練は、米帝の核戦争装備が投入される南朝鮮の作戦地帯にある港と飛行場を先制攻撃することを想定し、射程を制限して行った」と報じた。火星6号(スカッドC)2発と火星7号(ノドン)1発で、有事の際に慶尚北道浦項(ポハン)と釜山港、金海(キムへ)空港などに入ってくる米軍の増援戦力を攻撃する訓練だったということだ。労働党機関紙の労働新聞が同日付の1面に関連写真7枚と共に掲載した「戦略軍の火力攻撃計画」と題した朝鮮半島の地図には、北朝鮮の黄州(ファンジュ)一帯から東海(日本海)までのミサイルの飛行軌跡が描かれ、東海上の落下地点から釜山・蔚山(ウルサン)周辺地域までが曲線につながっており、弾着地点が表示されていた。
「射程制限」とはミサイルを高角発射し、最大飛行距離を減らしたことを指す。実際に火星6号と火星7号の最大射程距離はそれぞれ700キロメートルと1300キロメートルだが、19日の発射では高度150キロメートル以上まで上昇し、500~600キロメートル飛行したものと見られている。THAADの迎撃高度は40~150キロメートルだ。朝鮮中央通信は「目標地域の設定された高度で弾道ロケットに装着した核弾頭の爆発操縦装置の動作特性をもう一度確認した」と報じた。北朝鮮人民軍総参謀部砲兵局は11日、「重大警告」を通じて「THAADの位置と場所が確定される時刻から、物理的対応措置を実行する」と主張した。
一方、北朝鮮は同日、「朝鮮人民軍板門店(パンムンジョム)代表部報道官談話」を発表し、韓国軍に対する戦時作戦統制権を持つ「南朝鮮を強占した米帝侵略軍が優先打撃対象」としたうえで、「米国が戦時作戦統制権を手放さないのは、凶悪な魂胆があるからだ」と非難した。
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