韓国軍がK2戦車(黒豹)100余両の追加生産を推進していることが分かった。 8000億ウォン(約750億円)の大規模予算事業であるにもかかわらず報道機関に公開せず、密室で推進された疑惑が提起された。 戦車の増強が精密打撃中心の現代戦場環境に合わない杜撰な戦力増加計画という批判も出ている。
国防部当局者は12日、「合同参謀本部が昨年10月にK2戦車100余両の追加所要を提起し、現在、国防部が所要検証作業をしている」として「年末に妥当性調査を終えれば予算当局と協議して予算に反映させる計画」と話した。 軍は当初2011年にK2戦車600両の導入を要求したが、予算不足、作戦環境変化などを理由に200両に減らしたことがある。
これに先立ち国防部は、先月出した「国防中期計画」(2017~2021)にすでにK2戦車100両追加生産を反映しておきながら、報道機関には公開しなかった。 追加導入を巡って論議が起きることを憂慮して隠したのではないかという疑いが提起されている。 国防部当局者は「中期計画発表時はキルチェーンと韓国型ミサイル防御(KAMD)計画の説明を中心にしたため、詳しい説明が脱落した」と弁明した。 しかしK2戦車は1両当たりの価格が80億ウォン(約7億5000万円)で、100両の追加生産は8000億ウォンという予算が投入される事業だ。 このような大規模な予算事業の説明を抜かしたというのは理解しがたいという反応が多い。
現代戦の様相は遠距離・精密打撃中心に変わっており、北朝鮮も核、ミサイル威嚇を核心抑制戦略としているうえに、前方地域の戦車補強に数千億ウォンもの予算を投じるのは時代錯誤という批判もある。 北朝鮮は最近「先軍号」、「天馬号」などの新型戦車を導入し配置したという。 これに対して軍当局者は「我々も今年から戦車キラーのアパッチヘリコプター36機(1兆8000億ウォン規模=約1700億円)と新型対戦車ミサイルのホングンを配備する」として「戦車の増強は重複投資の意味があると見られる」と話した。 軍周辺では陸軍が最近戦力増加の優先順位として海空軍に押されるという危機感のため、K2戦車追加生産所要を提起したのではないかという疑問も起きている。