韓国で首都圏人口が2013年から3年連続で地方に純移動した。 世宗市と革新都市10カ所を中心にした均衡発展政策の効果と見られる。
16日、ハンギョレが統計庁の「国家統計ポータル」の人口移動情報を分析したところ、2015年に首都圏のソウル、仁川、京畿道から江原道、忠清道、湖南(全羅道地域)、嶺南(慶尚道地域)、済州道など地方に純移動した人口は計3万2364人だった。 純移動人口とは、総転入者数から総転出者数を引いた数を言う。 韓国では1945年の解放以来、一貫して地方から首都圏に純移動してきたが、2011年に初めて首都圏から8450人が地方に純移動し、2013年と2014年にはそれぞれ4384人と2万1111人が地方に純移動した。
2015年の首都圏の人口を最も多く引き込んだ地域は忠清道圏で、2万9548人が純移動した。 このうち世宗(セジョン)市が1万3454人で最も多く、次いで忠清南道1万134人▽忠清北道5914人▽大田(テジョン)46人の順だった。 忠清道圏の人口流入は、世宗市建設と首都圏の拡張が主な原因と分析される。 忠清道圏には2012~2014年にも6万463人の首都圏人口が純移動するなど、均衡発展政策の効果が集中的に現れている。
世宗市は昨年全国から計5万3044人を呼び込んだ。 このうち64.7%の3万4336人が忠清道圏の人々で、特に41.7%(2万2104人)は大田から純移動した。 大田は世宗市の入居が始まった2012年から2015年までに計4万1655人が世宗市に流出し人口が減っている。 首都圏の人口を呼び込むために建設された世宗市が周辺地域の人口を減少させる問題も生んでいる。
2015年に忠清道圏に次ぎ首都圏人口を多く呼び寄せた地域は済州道で9811人だった。 江原道にも昨年6198人の首都圏人口が流入した。 檀国(タングク)大都市地域計画学科のチョ・ミョンレ教授は「忠清道圏と江原道圏は首都圏の外縁拡張という側面が強く、済州道は時間的距離が近く環境が良いため首都圏人口を吸収している」と評価した。
反面、嶺南と湖南からは首都圏への人口流出が続いている。 嶺南圏からは2015年に1万2143人が首都圏に流出した。 ただし3年前の2012年の2万6222人と比較すれば半分以下に減少した。 湖南からも昨年1050人が首都圏に流出したが、2012年の5853人と比べれば5分の1以下に減少した。
忠南研究院のカン・ヒョンス院長は「盧武鉉(ノムヒョン)政権が推進した均衡発展政策の効果が少しずつ現れているものの、李明博(イミョンバク)、朴槿恵(パククネ)政権の政策変化により首都圏への集中が再び強化される憂慮も大きい。 首都圏分散の流れを継続させるためには、政治領域での地方分権をさらに強化し、各地域で革新都市を中心に新たな産業を育てなければならない」と指摘した。