本文に移動

訪韓した米国人教授「韓国史教科書国定化に反対します」

登録:2015-10-26 22:36 修正:2015-10-27 06:51
米国ウィスコンシン大学のアップル教授 
「全教組合法化の時のように支援する」
世界的な教育者として知られる米ウィスコンシン大学のマイケル・アップル教授が26日午前、ソウル中区ファイナンスセンター前の「韓国史教科書国定化阻止ネットワーク」の座り込み場を訪問した=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 「韓国史教科書国定化に反対します」。ハングルの名前がぎっしりと書かれた「国定化阻止1000万市民街頭署名」の名簿に、白髪の米国人夫婦が迷わず自分たちの名前を書き入れた。 26日、ソウル中区ファイナンスセンター前で行われている「韓国史教科書国定化阻止ネットワーク」の座込み現場を訪れた米国ウィスコンシン大学のマイケル・アップル客員教授とウィスコンシン大学の同僚でもある夫人のリマ・アップル教授だ。アップル教授は、教育と権力の関係を批判的に取り上げてきた世界的な教育学者だ。今月24日に訪韓した彼は同日、光化門にある「セウォル号座り込み場」と「国定化阻止座り込み場」を訪れることで、最初の公式日程を始めた。

 座り込み場でイ・ジュンシク歴史正義実践連帯執行委員長に会ったアップル教授は「一つの教科書で教えることは、韓国を(以前とは)非常に異なる空間に変えるだろう」と懸念を示した。アップル教授は「支配勢力が常識を捻じ曲げる方法の一つが記憶を消すことで、韓国だけでなく日本など多くの国で支配勢力が自分たちの意志を貫くために大衆の集団的な記憶を歪曲している」と述べた。続いて、英国のチャーチル首相の言葉を引用して、「歴史を忘れた民族に未来はない」と付け加えた。

 アップル教授の訪韓は、今回が3度目だ。1989年の最初の訪問当時、彼は全国教職員労働組合(全教組)を支持する発言をしたとして、国家安全企画部(現在の国家情報院)に軟禁されたことがある。彼は自分が軟禁された事件に触れ「韓国社会はかなり発展したように見えるが、まだこのようなことが起きているのは、政治的な成果はいつでも奪われる可能性があるということを証明している。戦い続けて(政治的自由を)勝ち取らなければならない」と付け加えた。 「国定教科書導入に反対する人々には左翼偏向という攻撃が加えられている」というイ委員長の説明に対して「(政府の対応は)私にとっては驚くべき出来事ではない」と苦笑した。

 アップル教授は、特に歴史科目の国定化が教育全般に及ぼす悪影響に注目すべきだと強調した。「歴史教育で教師が自律性を失えば、他のすべての教科でも教師が教育における権利を失うことになるため、とても大きな波紋を広げることになるだろう」ということだ。アップル教授は「(韓国の教科書国定化阻止のために)米国でも支援したい」という意向を示してから「かつて全教組合法化のために、米国の教員労組と協力して(全教組を違法とする)不当さを広く訴えたことがあるが、今回も米国でそのようなことができると思う」と話した。

オム・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-10-26 19:39

https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/714531.html 訳H.J

関連記事