「見ろ!韓国の船だ」
18日午前7時、日本海上自衛隊の観艦式が開かれる神奈川県の横須賀海上自衛隊地方総監部。 行事出席のために基地に集まった観覧客の人波に混じって搭乗予定艦船である「むらさめ」に向かおうとした時だった。 埠頭に到着すると、すぐ前を歩いていた日本の記者たちが急いでカメラを取り出しシャッターを切り始めた。 日本が誇るイージス艦「きりしま」の向い側に韓国の駆逐艦「大祚栄艦(テジョヨンハム)」がグレーの威容を見せていたからだ。 この日、大祚栄艦のマストには観艦式への参加を記念するように韓日両国の国旗が並んで掲揚され、甲板の周囲には黒い制服を着た若い水兵たちが緊張した様子で日本の観覧客に向かって微笑を浮かべていた。 韓国海軍が日本の観艦式に艦船を派遣したのは、島根県の「竹島の日」指定(2005年)などのために韓日で独島(ドクト)葛藤が発生する以前の2002年以来13年ぶりだ。
今年で28回目をむかえた今回の観艦式は、行事が始まる前から日本のみならずアジア・太平洋国家の大きな関心を集めていた。 安倍晋三日本首相が先月19日、集団的自衛権の行使を骨格とする安保関連法を通過させた後、初めて開かれた軍事行事であるためだ。 多くの軍事専門家たちは、今回の行事を通じて日本が今後追求して行く防衛政策の大枠を提示するものと予想してきた。
取材陣を乗せたむらさめは午前8時頃、大きな汽笛を鳴らして横須賀本港を出た。艦船は約2時間で東京湾の入り口である浦賀水道を通り三浦半島から西進し観艦式の行われる相模湾に到着した。朝から曇っていた空も午前10時過ぎにはうららかに晴れ始めた。
行事は午前11時、安倍首相がヘリコプターから観閲艦である「くらま」に搭乗して始まった。 観閲艦隊の先頭にむらさめ、その後を観閲艦のくらまと「うらが」など7隻の艦船が列んだ。 この観閲艦隊に向かって日本の最新型イージス艦である「あたご」が扇動する日本の最先端艦船が7つに分かれて進んだ。
韓国の大祚栄艦は自衛隊艦船の最後尾に編成された6隻の外国艦船中で4番目に配置された。 大祚栄艦の後には今年6月横須賀に新たに配置された米国のイージス艦チャンスローズビルの姿があった。 大祚栄艦に乗った韓国軍水兵が安倍首相の乗ったくらまの前を通る際、一斉に挙手敬礼をした。 自衛隊はこの日の行事に軽空母「いずも」など34隻の艦船とF-2、F-15Jなど最先端の航空戦力を披露した。
日本が特に強調したことは、全世界に活動範囲が広がった米日同盟の対潜水艦哨戒能力だった。 この日、航空機観閲編隊の先頭を占めたのは日本が誇る対潜水哨戒機P-1であったし、その後を対潜水ヘリコプターSH-60J/K、日本の主力哨戒機P-3Cなどもの姿を現した。 米国はこの行列の後に米海軍の最新哨戒機P-8A(ポセイドン)と米海兵隊の新型輸送機MV-22(オスプレイ)を配置し、あたかも自衛隊の戦力を励ますような姿を演出した。 P-3Cはその後に行われた海上訓練では海中の潜水艦を捕らえるための対潜爆弾を落とす示範訓練も見せた。
米日両国がこのような姿を見せたのは、グローバル同盟に格上げされた米日同盟が最も重視している当面の安保課題が中国の潜水艦の牽制だということを示したものと解釈される。 米国は日本に中国潜水艦部隊の動きが活発になっている南シナ海に対する偵察活動の分担を要求している。
安倍首相はこの日、米国の最新鋭空母ロナルド・レーガン号に搭乗した。現職の日本首相が米空母に自ら搭乗したのは今回が初めてだ。 ロナルド・レーガン号は観艦式には参加していないが、相模湾周辺海域に留まり行事を見守った。
この日の観艦式には米日と共に中国の海洋進出を牽制する動きに参加しているオーストラリアやインド、最近南シナ海で中国との領土紛争を体験しているベトナムも参加した。 中国を相手にした周辺国が共助を誇示したわけだ。 韓国海軍が今回の行事に艦船を派遣したのは、韓国軍が韓米日三角同盟の流れにますます深く引き込まれていることを示すものと読み取られる。