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[インタビュー]韓米日の三角安保に入る理由はない

登録:2015-08-17 23:56 修正:2015-08-18 06:51
イ・ジョンソク元統一部長官
イ・ジョンソク世宗研究所首席研究委員 //ハンギョレ新聞社

 イ・ジョンソク世宗研究所首席研究委員は「中国の影響力増大とこれに対抗する米国の再均衡政策、日本の再武装などで北東アジアの安保環境が急変している」として、「このような困難な状況にまともに対処するためには、南北間の関係改善と協力が鍵だ」と述べた。 イ首席研究委員は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時に国家安全保障会議(NSC)事務処長、統一部長官などを務め、南北関係と外交・安保政策を主導した。 インタビューは光復・分断70周年を翌日に控えた14日に行われた。

北朝鮮より中国を狙った安保協力
南北協力がなされれば北の脅威は減り
三角安保協力の圧迫も弱まると予想

- なぜ南北関係が重要なのか?

「まず南北関係を改善させねば、米中関係において韓国が均衡を取って和解と協力の時代に進むことができない。 南北葛藤の構図では米国に対する韓国の安保依存度が高くなる。 そうなれば、米中葛藤の局面における韓国の戦略的選択肢は狭まらざるを得ない。さらに重要なのは経済的側面だ。 韓国経済は困難な状況にあるが、唯一の出口は南北経済協力だ。 資源と労働力を備えた北朝鮮と協力すればシナジー効果が生み出される。 また北朝鮮を通じて大陸へ進出する道も開かれる。 経済的に機会の窓が開かれるわけだ」

- 南北関係は期待に反して最悪だが、どうすれば良いか?

「朴槿惠(パク・クネ)大統領も南北関係をうまくやろうと考えただろう。ところが『朝鮮半島信頼プロセス』の具体的内容と手続きが盛られる前に執権初期から北朝鮮の挑発が続き、道を見失ったようだ。 李明博(イ・ミョンバク)政権の対北政策と何が違うのか、もう分からなくなった。 今からでも南北関係改善に乗り出さなければならない。 どうして朴大統領が、自分がやったわけでもない5・24措置を手放そうとしないのか理解できない。 北朝鮮が謝るはずのない事案にこだわって身動きできずにいる理由はない。 5・24措置の解除を決断すべきだ。 それは大統領にしかできないことだ。 来年上半期が過ぎれば、もはやこの政権が意味ある南北関係を推進することも難しい」

- 南北対決が先鋭化する中で、韓米日三角安保協力が一層浮き彫りにされる雰囲気だ。

「韓米日三角安保協力強化は望ましくない。 韓国は日本に植民地侵略された経験がある。 米国を先頭とする三角安保協力は、日本に軍事大国化の道を開くものだ。 日本と協力しないということではない。 日本と協力するためには、中国まで含めた『北東アジア多者間安保協力』のフレームですべきだということだ。 それでこそ日本を制御できる。

 そして韓米日三角安保協力強化の名分として北朝鮮の軍事的脅威を挙げているが、それは話にもならない。 世界最高の軍事力を備えた米軍だけでは世界最貧国の北朝鮮に対抗できないから、日本まで引き入れなければならないとでもいうのか? 当然に中国を狙った協力と見ざるを得ない。 そんな三角安保協力に韓国が加わる理由はない。 事実、そんな理由からも南北関係が重要だ。 南北間の協力がうまくいけば、北朝鮮の軍事的脅威が減少する。 そうなれば三角安保協力の名分も弱まり参加の圧迫も減る。 その第一歩が南北関係だ。 したがって、南北関係は私たちの生存と繁栄の鍵と言える」

- 朴槿惠政権の「北東アジア平和協力構想」が多者協力に発展する可能性はないか?

「実行可能な構想なのか、疑問だ。 北東アジアの平和を語るならば、北朝鮮を排除して可能だろうか? 2005年の9・19共同声明には北東アジアの安保協力が含まれている。 6者会談参加国が同意したものだ。 2007年の2・13合意の時には実務グループの設置にも合意した。 韓国が南北関係改善を背景に米中間の均衡を取りながら代案も出すなど、積極的に乗り出してできた事だ。こうした成果が断絶させられているのが残念だ」

パク・ピョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/704650.html 韓国語原文入力:2015-08-16 21:44
訳A.K(1804字)

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