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人権委院長 “集会の自由大きく萎縮”

原文入力:2009-06-03午後11:28:58
“恣意的集会不許可, 憲法違反” 直接声明
“国民基本権は政府の施し対象ではない”

ホン・ソクチェ記者

←アン・ギョンファン国家人権委員会委員長

アン・ギョンファン国家人権委員会委員長は3日声明を出し「私たちの社会で集会・デモの自由が大きく萎縮している」と憂慮を表わし、国民の集会・示威参加を尊重することを政府に促した。アン委員長の声明は最近警察が恣意的に集会・示威を許さずソウル広場を閉鎖するなど、憲法に規定された集会・示威の自由が制約を受けている状況から出たもので、国家人権委院長が直接集会・示威権利の保障を要求して出たことは今回が初めてだ。

アン委員長は声明で「最近の状況を見渡してみれば、政府が集会・示威の不法・暴力性有無を事前に判断し事実上開催可否自体を一方的に左右する危険な状況になっていると見る」と指摘した。彼はまた「市民らの出会いと疎通の場所でなければならないソウル広場が警察バスによって長期間封鎖されている」として「集会・示威現場でも警察の攻撃的鎮圧方式は国民の生命と身体に対する被害を増加させる可能性が大きいという点を忘れてはいけない」と明らかにした。

アン委員長は「大韓民国憲法と大韓民国が加入した ‘市民的および政治的権利に関する国際規約’ は集会・示威の自由をすべての人間が享受する基本的人権と規定している」として「公益的目的のために集会・示威の自由を制限できるといっても、集会・示威を原則的に禁止し例外的に許す方式で運用することは憲法と国際人権規約に反すること」と語った。彼は続けて「国民の基本権は政府の施しで保護されるものではなく、国民の基本権保護こそが国家の存立根拠であり基本的義務」として「政府は国民の集会・示威参加を本質的な基本権として尊重し集会・示威参加者の人権保護により一層能動的に対処することを促す」と明らかにした。

人権委関係者は「最近政府の集会・示威統制と関連して、人権委が立場を発表したことがあるが懸案の深刻性を考慮し委員長資格で状況が改善されなければならない必要性を再度確認し強調したもの」として「政府が義務を実践しろというかなり強力な意志が込められている」と説明した。

ホン・ソクチェ記者forchis@hani.co.kr

[全文]集会示威の自由に関する国家人権委員会声明

 国家人権委員会(委員長 アン・ギョンファン)は最近私たちの社会で集会デモの自由が大きく萎縮しているという点に憂慮を表わします。

  政府は平和的な集会示威は保護し、不法暴力の恐れのある集会デモだけを遮断しているというが、近ごろの状況を見渡してみれば開催が予定された集会示威の不法暴力性可否を政府が事前に判断することによって事実上、集会デモの開催可否自体を政府が一方的に左右する危険な状況になっていると見ます。

 これにより市民らの出会いと疎通の場所でなければならないソウル広場が現在警察バスによって長期間封鎖されています。しかも警察庁は”2009年集会デモ管理指針”を通じて不法集会示威に対する対応方式を“防御的秩序維持”から“積極的法執行”に切り替えると公表したりもしました。公権力は特殊な権力であるから乱用される場合、市民に及ぼす被害が致命的にならざるをえません。集会示威現場で警察の攻撃的鎮圧方式は国民の生命と身体に対する被害を増加させる可能性が大きいという点を忘れてはいけないでしょう。

  集会デモの自由は単純に個人的基本権に止まるものではなく、少数者の政治的表現行為を保護することにより民主主義を支えるようにする民主社会の礎石であり少数者の権利です。これと関連して、憲法裁判所も「集会示威の自由が憲法上、代議過程を補完し民主主義と国民主権を実践するという点で憲法的意味を持つ。」という点を明確にした経緯があります。

大韓民国憲法と大韓民国が加入している”市民的および政治的権利に関する国際規約”は集会示威の自由をすべての人間が享受する基本的人権と規定しています。公益的目的のために集会示威の自由を制限できるといっても、集会示威を原則的に禁止し例外的に許す方式で運用するのは憲法と国際人権規約に反するものです。

 国民の基本権は政府の施しで保護されるものではありません。むしろ国民基本権保護こそが国家の存立根拠であり基本的義務です。集会示威の自由を広範囲に尊重し保護する憲法と国際人権規約の精神に照らしてみる時、集会デモの制限と関連した公権力行使は最大限慎重であってこそ当然でしょう。

  私たち委員会は今一度、集会示威の自由を強調した憲法と国際規約の精神を思い起こし政府が国民の集会示威参加を本質的な基本権として尊重し集会示威参加者の人権保護により一層能動的に対処することを促します。国民の基本権保障と人権保護のための国家の義務と責任を全うする時、はじめて法治を具現するための国民的合意が可能だという事実に政府は留意しなければならないでしょう。

 2009.6.3.

 国家人権委員会 委員長 アン・ギョンファン
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/rights/358478.html 訳J.S