かつて国家に強制的に精管切除手術(断種)や妊娠中絶手術(堕胎)を強いられたハンセン病患者に対して、国の賠償責任を認める控訴審判決が下された。
光州(クァンジュ)高裁民事2部(裁判長ソ・テファン)は22日、ハンセン氏病にかかって完治したカン氏(78)など19人が「断種・堕胎にあって苦痛を味わった」として国家を相手に起こした損害賠償請求訴訟で、原告被告の双方の控訴を棄却した。今回の判決はハンセン病患者に強行された反倫理的人権侵害行為に対して国家の賠償責任を初めて認めた1審判決の趣旨が控訴審でも維持されたということに意味がある。
今回の判決に先立ち光州地方裁判所順天(スンチョン)支院民事2部(裁判長ユ・ヨングン)は今年4月、精管切除手術を受けたカン氏など9人に3000万ウォン(1ウォンは約0.1円)ずつ、妊娠中絶手術を受けたヤン氏(71)など10人には4000万ウォンずつ損害賠償金の支給を命じる判決をだしていた。1審判決が下された後、カン氏など元ハンセン病患者の被害者は「被害認定金額が少ない」という理由で、政府は「ハンセン病患者に対する断種と堕胎は同意の下になされ強制性はない」という理由で原告と被告みな控訴した。
カン氏たちは、政府が昨年7月に約6400人をハンセン病患者被害者と認めておきながら国家賠償を疎かにしたとして、国家を相手に1人当り慰謝料1億ウォンを請求する訴訟を提起した。今回の判決はソウル中央地裁に係留中の他の元ハンセン病患者約600人の訴訟にも影響を及ぼすものと見られる。
元ハンセン病患者の人権弁護団、韓国ハンセン総連合会や小鹿島(ソロクド)自治会などはこの日、「強制断種や堕胎の被害者の名誉回復と正当な賠償のための初の控訴審判決だった」と明らかにした。
ハンセン病患者に対する断種手術などは、1948年から全羅南道の小鹿島、仁川(インチョン)のソンヘ院、益山(イクサン)のソセン院、漆谷(チルゴク)のエセン院、釜山(プサン)のヨンホノン院、安東(アンドン)のソンジャ院など国立療養所や定着村で再開され1980年代まで続いた。
韓国語原文入力:2014.10.22 23:04