ソウルの地下鉄が老朽化して過去5年間に8万件に達する安全上の欠陥が指摘されたが、補修されたのは全体の11%にすぎないことがわかった。
ソウル市監査官は9月1日、今年2月から3月までに自治区23か所(陽川(ヤンチョン)区・広津区(クァンジン)区を除く)と共同で地下鉄駅舎の安全管理実態を点検した結果を含め過去5年間のこのような結果を明らかにした。
ソウルメトロが運営する1~4号線区間では亀裂6万2638件と漏水710件、ソウル都市鉄道公社が運営する5~9号線区間では亀裂1万5931件と漏水355件が発生したと明らかにした。
しかし合計7万9569件の欠陥のうち、実際に補修された箇所は11%の1万550件に過ぎなかった。今年も事情は同じだ。欠陥補修に必要な金額はソウルメトロが148億ウォン(1ウォンは約0.1円)、ソウル都市鉄道公社は53億ウォンと見積もられたが、実際に反映された予算はそれぞれ22億ウォン、15億ウォンに過ぎなかった。
しかし、ソウル市監査官は地下鉄の安全上の欠陥は予算不足のみが原因ではないと指摘した。ソウルメトロとソウル都市鉄道公社は、高架駅舎の精密点検施行後に欠陥は見つからなかったと報告したが、監査官が現場点検した結果、亀裂・白華現象・漏水・鉄材腐食などの欠陥が多数発見された。特にソウルメトロは、高架駅舎20か所に対して精密点検を行いながらも現場材料試験を全く行わなかったり、地下鉄2号線鉄道橋梁点検の際に装備の投入が難しいとの理由で、望遠鏡などを利用した肉眼での点検のみを行っていた事実も明らかになった。