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[6・4地方選挙] ‘進歩の公約’は夢のような話?…想像するにつれて世の中は良くなった

登録:2014-06-01 21:45 修正:2014-06-02 06:36
団体給食に菜食メニューを義務化、障害者に基本所得を保障…
注目集める異色の公約

 6・4地方選挙を控えて候補たちが出した各種公約だ。 特異とは言え時代に先んじる内容を含んでいて注目が集まる。 一部では現実とかけ離れているという指摘もあるが、この公約を契機に少しずつ世の中が変わるという点に注目すべきだというのが専門家たちの指摘だ。

 1日、中央選挙管理委員会に登録された候補たちの政策公約を見れば、イ・ビョンフン労働党光州(クァンジュ)市長候補は「障害者に基本所得を支給する」と公約した。 基本所得は仕事の有無にかかわらず、子供から老人まで全ての障害者に一定額のお金を支給する制度だ。 イ候補は具体的な方案も提示した。 光州市に登録している障害者6万8372人に当選初年度には5万ウォンずつを支給するということだ。 翌年から毎年5万ウォンずつ増やして2017年には1人当り20万ウォンずつを支給することが目標だ。

 雲をつかむよな話に聞こえたりもする。 だが、財源用意など具体的な実現方案も一緒に提示されている。 初年度410億ウォン、2017年には1640億ウォンの財源が必要なこの政策の実現のために、イ候補側は2025年を開通目標として推進中の光州都市地下鉄2号線工事を中断して、その財源を活用しようと主張している。 地下鉄1号線も利用客が少なくて赤字が積もっている状況なのに、更に加えて2号線も利用率が非常に低いことが予測されているためだ。 イ候補側は「地下鉄2号線工事の分担金7500億ウォンを障害者基本所得政策予算に回すことができる」と説明した。

 基本所得はヨーロッパでは18世紀から出てきた概念だ。 2009年ドイツ総選挙では約10%の地方区議員が基本所得を公約にして当選した。 韓国でも2007年大統領選挙の時、琴民(クム・ミン)社会党候補が基本所得を公約として初めて提示した。

 更に労働党ソウル市党は、商店賃借人専門担当被害救済機構を作るという公約を作った。 商店賃借人は初期施設費用として多額の金銭を負担しても、わずか2~3年で追い出されることが日常茶飯事で、零細商工人が気楽に商う条件ができていないということだ。 商店街賃借人被害救済機構は建物オーナーの明け渡し訴訟に対する法律支援などの役割を行うことになる。 労働党江原道(カンウォンド)党は、赤ん坊を産める産婦人科がなかったり、あっても遠い地域特性を考慮して、分娩施設を保健所に備えた‘公共型産婦人科’を作ると約束した。 赤ん坊を産むために産婦人科のある地域に行かなければならない遠征出産の苦痛を味わわないようにするということだ。

 今回地方選挙に初めて出た緑色党は、新鮮な公約を多数明らかにした。 その内、目につくのは菜食主義者の幸福追及権と選択権を保障するための公約だ。 菜食主義者は構内食堂や学校給食などで肉のおかずが出てくれば、同じお金を出してもキムチなどだけで食べなければならない。 牛乳給食も同じだ。 豆乳など他の飲み物も選択できるようにするというのが緑色党の公約だ。

 動物のための公約も掲げた。 大型マートで動物を売買することを禁止する条例を作るというのが主な内容だ。 大型マートで展示される動物たちは、明るい照明の下で途方もないストレスを受ける。 緑色党はまた、マートで生命を売買して生命軽視の風潮が広がる憂慮もあると強調する。 合わせて緑色党は、農民基本所得制も導入すると明らかにした。 労働党の障害者基本所得と似た形であり、農業は公共財の役割をするので農民には無条件で基本所得を保障しなければならないという論理に従ったものだ。

 新鮮な公約を掲げた道知事や区庁長候補も少なくない。 全北(チョンブク)知事に出馬した統合進歩党イ・グァンソク候補は‘農産物最低価格保障条例’制定を第一の公約として掲げた。 農産物の生産費と出荷価格の差額を保障するということだ。 イ候補は全国農民会総連盟議長を歴任した経歴を持つ。 済州道(チェジュド)知事選挙で出された公約も注目を引く。 ウォン・ヒリョン セヌリ党候補とシン・クボム新政治民主連合候補は共通に‘ユニバーサル デザイン’政策を推進すると明らかにした。 ユニバーサル デザイン政策は障害者も健常者も区分せずに誰もが生活に不便がないよう各種製品と環境を構築するということだ。 イ・シジョン新政治民主連合忠北道(チュンブクト)知事候補は「田舎の村にいらっしゃっる方々が、市内バス料金程度でタクシーに乗り、役場の所在地まで出られるようにする‘幸福タクシー制度’を運営する」と明らかにした。 ソウル龍山(ヨンサン)区庁長選挙では、チョン・ヨンウク正義党候補が女性たちの安全のために深夜時間帯には‘地域バス家の前下車制度’を実施すると公約した。

 イ・サング福祉国家ソサエティ共同代表は「当選可能性が低い小数政党候補が提示する公約は、実現可能性の側面で重要でないと見えるかもしれないが、選挙を眺める市民の意識を変えていくという点では意味が大きい。 例えば京畿道(キョンギド)知事選挙に出てきたキム・ジンピョ新政治民主連合候補の保育教師全面公務員化公約は、早期に無償保育を主張してきた進歩政党の声が公論化されて影響を与えたものと見られる」と説明した。 ウム・ソンウォン記者、全北、光州、済州/パク・イムグン、チョン・デハ、ホ・ホジュン記者 esw@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/640137.html 韓国語原文入力:2014/06/01 19:50
訳J.S(2401字)

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