母さん・父さんは嗚咽してくずおれ
友人たちは悲しく名前を呼んでお別れ
"アンニョン~ チングヤ(さよなら友達)…。 安らかに眠ってください 先生…。"
済州島(チェジュド)に思い出を作りに出発した息子と娘、そして先生との永遠の別れが一日中続いた。 涙の乾く間もない母親と父親は嗚咽してくずおれ、生徒たちは一言の別れのあいさつもなくこの世を去って行った友達の名前を悲しく呼んだ。 セウォル号沈没事故で犠牲になった京畿道(キョンギド)安山(アンサン)檀園高の生徒と教師6人の葬儀が20日、安山地域の各葬儀場で行われた。
葬式を見守っていた40代の男性は「これでも国家と言えるのか。どうしてまだ咲いてもいない青春をこんな風に行かせられるか」と言って号泣した。 子供を背負って葬儀場を訪れたオ・某(38・女)氏は「今は制服を着た高校生を見ただけで胸が痛くなる」と話涙を流した。
午前5時、安山第一葬儀場で犠牲となった生徒の中で最初に葬儀を行った2年4組チャン・某(17)君の出棺式には遺族と檀園高校生300人余が参加してチャン君の最期を見送った。 出棺を迎えた息子の前で母親がついに座り込むと、葬儀場は涙の海に化した。 同じクラスのアン・某(17)君も友達の後に続いて葬儀が行われた。
生徒たちを待避させて命を失った2年6組の担任ナム・ユンチョル(35)教師も同じところで教え子の後に続いた。 淡々と葬儀室を守っていたナム教師の父親は「愛する私の息子。 さよなら息子よ。 立派だった私の子供」と言いながらついに嗚咽してしまった。 事故当日に誕生日を迎えた2年9組の担任、故キム・チョウォン(26・女)教師の葬式で、キム教師の父親は霊柩車にしがみついて娘の名前を号泣しながら呼び、参列者の涙を誘った。
この葬儀場では午前に1時間間隔で生徒と教師たちの葬式が行われた。 2年3組チョン・某(17)さんと4組キム・某(17)君もそれぞれ東安山病院とオンヌリ病院葬儀場で愛する両親・友達と離別した。一部の生徒たちの霊柩車は通い慣れた学校に立ち寄ってから火葬場へ向かいもした。
夜明け前から行われた葬式を訪れた生徒たちは、友達が眠っている棺が一つずつ入って出てくるたびに嗚咽した。 友達の霊柩車が立ち去る姿を見守り、地面にどっかり座り込んだパク・某(17)さんは「私たちはもう会えないのか」と言って涙を流した。 葬儀場から20m余り離れたところでしくしくと泣いていたある女子生徒は「友達の遺影を見ることが恐くて足が動かない」として涙を拭い続けた。 これに先立って2年9組の生徒たちを待避させて亡くなったチェ・ヘジョン(25・女)教師は、去る19日水原蓮華場で火葬された。
今秋に結婚を控えて亡くなったセウォル号のアルバイト生キム・キウン(28)さんと乗務員のチョン・ヒョンソン(28)氏の遺体も20日、仁川(インチョン)富平(プピョン)昇華院奉安堂に並んで安置された。 仁川~済州を往復する船に共に乗って4年以上に亘りチョン氏との愛を育んできたキム氏は、負傷した同僚を先に送りだした後に船に再び入り、チョン氏とともに搭乗客を脱出させていたが、結局遺体で発見された。
一方、檀園高の正門には住民たちが捧げた白い菊の花束数十本余りが置かれていて、安山中央駅ロデオ通りに用意された希望の手紙掲示台には "君たち~もう少しだけ頑張って! はやく生きて会おう。 あきらめるな" などの文が書かれたメッセージと手紙など数百通が積みあげられていた。
安山仁川/キム・キソン、キム・ヨンファン記者 player009@hani.co.kr