南北が紆余曲折の末に離散家族対面のための実務接触に合意した。 最後の対面以後3年ぶりだ。 これは開城(ケソン)工業団地の発展的正常化が南北関係変化のテコとして作動していることを示すものだ。 23日、板門店(パンムンジョム)実務接触は旧盆前後に離散家族対面行事を行うという合意の下で開かれるので、場所と日時、規模などを定めるのに大きな困難はないものと予想される。
今回の実務接触が南側の提案どおりに実現したのは、北側が南北対話に積極的意志を見せたことが大きな役割を果たした。 当初今回の離散家族対面は去る7月10日に北側が2次開城工業団地実務会談で提案し、南側がこれを開城工業団地正常化合意以後に先送りしたものを復活させたと見ることができる。 そうするうちに朴槿恵大統領が8・15祝辞で旧盆前後の離散家族対面を再提案し、大統領の対北提案に格上げされた。 特に北側が金剛山(クムガンサン)に場所を修正提案し、南側が板門店(パンムンジョム)を固守すると異議提議なしにそのまま受け入れたことも意外だ。 これは離散家族対面が自分たちの提案でもあり、南側が金剛山観光実務会談を拒否しなかった点を評価したとも見ることができる。 また、南側の最高当局者である朴大統領の意志が加えられた提案という点を考慮したとも見られる。 南側の表現どおり、北側がそれなりの‘真正性’を示したわけだ。
これに伴い、金剛山観光再開のための実務会談を9月25日に修正提案した南側も、柔軟に対応する可能性もある。 当初、今月22日を提案した北側がこの日を放棄し再び8月末や9月初めを提示したためだ。 リュ・キルチェ統一部長官は21日、政府対北政策基調である‘韓半島信頼プロセス’を説明する内外信懇談会で「断固とすべき時は一層断固として、柔軟な時は一層柔軟に対応するバランスの取れた接近原則」を強調した。 また「離散家族実務会談を先にして、金剛山実務会談を後にするという先-後があるわけではない」と明確に明らかにした。
ただし、離散家族の対面場所は争点になりかねない。 政府のある当局者は、北側が希望する金剛山を対面場所として考慮しているかという質問に対して「可能性は開けてある」とだけ話した。 金剛山は離散家族公式面会所があり、2010年10月に最後の離散家族対面行事が開かれており、北が提示した場所という点で無難な選択になりうる。 しかし離散家族対面と金剛山観光を連係させないという原則を持つ政府が、場所についてどんな判断をするかは予断し難い。
時期については、赤十字社側が秋夕(チュソク)を控えて開くには実務的な準備に困難があるという意見を明らかにしていて、秋夕以後の9月下旬になる可能性が高い。 規模は旧例に従うならば100人で決まるものと見られる。 また、北側が先立って提案したように、10・4南北首脳宣言を契機にした画像対面に合意することもありうる。 この他に対面の定例化、書信交換、親・姻戚訪問など離散家族対面の発展のための議論は南北赤十字間の定例会談や責任ある当局者間会談形式を通して解決しなければならないと見られる。
カン・テホ記者 kankan1@hani.co.kr