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[社説] 離散家族と金剛山観光会談は同時並行で進めよ

登録:2013-08-20 00:35 修正:2013-08-20 00:42

 離散家族再会と金剛山(クムガンサン)観光の再開問題を巡って、二つの事を連係させようとする北韓と、金剛山観光再開に消極的な我が国政府の態度が交錯している。 政府は19日、離散家族再会のための実務接触を23日に板門店で行い、金剛山観光再開会談については後ほど立場を明らかにするという内容の通知文を北に伝達した状態だ。 両者は14日の開城(ケソン)工業団地の正常化合意で突破口を見出した南北関係が順調に進むよう柔軟な姿を見せることを願う。

 北は南が16日に行なった離散家族再会会談の提案を受け入れながら、会談場所を金剛山にして同じ場所で前日に金剛山観光再開の会談をしようと話した。北のこのような態度が、金剛山観光再開を離散家族再会の前提とするものならば正しくない。離散家族再会は政治と関係ない人道的な事案であり、来月中旬の秋夕(中秋の名節)を前後して再会がなされるには速かに議論しなければならない。3年を越えて途絶えている面会が再開されることを切に待ち望んでいる高齢の離散家族を失望させてはならない。

 政府が金剛山観光再開の会談について曖昧な態度を見せることはより大きな誤りだ。北が観光客殺害事件の再発防止、身辺安全、財産問題などをあまねく協議して解決しようと言った以上、金剛山観光再開のための会談をわざわざ遅らせたり拒否する理由はない。 政府内には金剛山観光再開で北の外貨収入が増えることを警戒する強硬論があるようだが、南北経済協力で北が利益を得るのは当然のことだ。その上、金剛山観光は新しい事業ではなく突発的な事態で中断された事業に過ぎない。開城工業団地については正常化・国際化しようといいながら、金剛山観光は別だというのは説得力がない。

 解決法は離散家族再会会談を急いで行いながら、金剛山観光再開会談はこれに直接連係させず並行して進めることだ。南北がこのような態度を共有するならば、離散家族再会の会談場所をめぐってそれぞれ違ったところを打ち出すような、むだな神経戦を行う必要はない。秋夕を前後して離散家族再会が必ずなされるよう進め、金剛山観光は合意が成立して準備ができ次第再開すれば良い。北が積極的な姿を示しているだけに、金剛山観光再開会談で扱う内容がそんなに複雑なこともない。一部では金剛山観光再開問題を5・24措置と関連させて話しているが、大規模な新規投資ではないのでそのように見るのは行き過ぎだ。5・24措置の原因となった天安(チョナン)艦事件とそれ以後の延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件について議論するには別次元の会談を設けなければならない。

信頼を築くには、互いに信頼を得られる態度で行動することが大切だ。今がまさにその時だ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/600074.html 韓国語原文入力:2013/08/19 18:38
訳T.W(1239字)

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