慶北(キョンブク)漆谷郡(チルゴクグン)倭館邑(ウェグァンウプ)、錦南里(クムナムリ)の洛東江川辺は4大河川事業前は柳で有名だった。 洛東江東端に沿って1km近く大柳、立ち柳など数百株が並んでいた。
夏に洪水になれば数日間は水に浸った。 魚は洪水を避けて水に浸った柳の根元に集まった。 水が抜ければ根元は再び呼吸を始めた。 幼い魚たちの遊び場であり、母魚には産卵所であった。
だが、4大河川事業の後、ここは柳の‘墓場’になった。 4大河川事業国民検証団は7日午後2時頃、この地域を現場調査して、ほとんどの柳が死んでいることを確認した。 4大河川事業で堰が作られ洛東江の水位が大きく上がったためだ。 13km上流には漆谷堰、22km下流には江亭高霊堰ができた。 高くなった水位が柳を襲った。 根元が水に浸り呼吸が出来なくなり、根元から栄養素を吸い込むことができずに死んでいった。 4大河川事業で洛東江の生態系が急変したのだ。 柳は4大河川事業の後、毎日洪水を体験したわけだ。
柳の死は深刻な緑藻を持たらした。 死んだ木が水の流れまで塞いだためだ。 今、腐った柳の‘死骸’周辺には緑色の粉が固まってふわふわと浮いている。
現場を確認したキム・ジョンウォン啓明(ケミョン)大教授(生物学科)は「かつてここは柳がよく保存された所だったのに残念だ。 もう洛東江は生命の空間ではなく死の空間に変わった。堰が作られて川が湖のように変わり水質浄化機能が大きく低下した水溜まりに過ぎない」と話した。
柳の川辺には4大河川事業で自転車道が作られた。 だが、所々にヒビが入り、やっつけ工事をした痕跡に、侵食を防止するために設置した土のうまで、見苦しいことこの上ない。 チョン・スグン大邱(テグ)環境運動連合生態保全局長は「過去にはここまで水が上がってこなかったが、4大河川事業で水量が増えて自転車道の地盤が水に流され道が崩れている」と説明した。
4大河川事業国民検証団は現場調査2日目であるこの日、月城堰と江亭高霊堰、漆谷堰、亀尾堰区間を調査した。 検証団は月城堰下流2km地点にある支流の龍虎川(ヨンホチョン)で側方浸蝕現象を確認し、5号国道の流失と橋脚崩壊の危険性を提起した。 洛東江本流と支流である甘川(カムチョン)が合流する亀尾堰下流1km地点で支流の川底の土と砂が洛東江側に押し流されていることも確認した。
パク・チャングン関東(クァンドン)大教授(土木工学科)は「4大河川事業で起きたこのような問題点を解決するためには短期的に水門を開放する方法などがあるだろうが、長期的に堰の撤去まで検討しなければならない」と話した。
漆谷(チルゴク)/キム・イルウ記者 cooly@hani.co.kr