三星(サムスン)電子サービス協力会社職員労組(金属労組三星電子サービス支会)の加入者がスタート1週間で全職員の10%にあたる1000人を越えるほど急速に増加し、三星電子サービス不法派遣(偽装請負)論難と共に三星の無労組経営固守可否にも関心が集まっている。
金属労組三星電子サービス支会は22日「協力会社社長や幹部の圧力以外には本社(三星電子サービス)次元の不法行為はまだ確認されていない」と伝えた。 これは過去に三星電子・SDS等、三星系列会社での労組設立過程で拉致、懐柔、脅迫、尾行、暴行など各種の不法論争が絶えなかったことと大きな違いを見せる。 去る18日に設立2周年をむかえた三星(エバーランド)労組も、設立初期には労組幹部に対する不当懲戒および解雇論難が続いた。 三星も 「複数労組時代に労組設立を阻むことは法的に不可能だ」と慎重な姿を見せた。
だが、三星のこのような姿を無労組経営放棄と連結する見解はまだ多くない。 三星電子サービス協力会社の社長らの一部は去る21日、不法派遣疑惑を否定する記者会見を行った。 自分たちが職員を直接採用して業務指示と勤怠管理をしているので‘雇われ社長’ではないと主張したのだ。 だが、金属労組は彼らの背後に三星があると疑っている。 金属労組は「三星電子サービスが会見の一日前である20日に協力会社社長らを招集して、支援方案も出した」と伝えた。 金属労組は23日に終わる労働部調査を念頭に置いて、世論造成用に今回の記者会見が開かれたと見ている。
‘三星電子サービス共同対策委員会’は 「協力業者社長の多数が本社役職員出身で、契約期間内は他の事業は出来ず、本社が直接協力会社に対する経営指導および監査、職員評価をしており、不法派遣が明白だ」と反論した。
また、三星電子サービスが労組参加者が多い一部のセンターに本社職員を平常時の夏期に比べてはるかに多く派遣していることも、労組瓦解が目的ではないかという論難を呼び起こしている。 忠南(チュンナム)牙山(アサン)センターの場合、22日に本社職員8人を派遣し、今後24人をさらに追加派遣する計画だ。 これはセンターで仕事をする外勤職員17人の2倍に達する。 また、労組活動が活発な浦項(ポハン)および釜山(プサン)地域センターにも、それぞれ20人余り、10余人ずつ本社職員が派遣された。 金属労組は「本社職員に修理の仕事を優先配分した後に残りを協力会社職員に配分する方針なので、今後は仕事の縮小と給与の縮小につながる展望だ。 結局、労組活動を萎縮させて他のセンター職員に対する警告が目的と解釈される」と話した。
三星周辺ではイ・ゴンヒ会長が先週日本でチェ・ジソン未来戦略室長、イ・ジェヨン副会長などグループ首脳部から経営現況の報告を受け、数百億ウォンかかっても労組結成を阻めとの指示を与えたという噂が広がっている。 これに対し三星未来戦略室役員は「全く根拠のない話」と否認した。
三星のエバーランド民主労組に対する対応もバロメーター(基準点)の役割をする。 エバーランドは労組の団体協約締結要求に対抗して、労務管理サイドなどが中心となったいわゆる‘御用労組’を設立した。 金属労組は「民主労組の無力化企図が持続している」と話す。
結局、三星が無労組経営をあきらめたのではなく、経済民主化などの社会的雰囲気と、複数労組導入など、法・制度の変更を考慮して戦術的変化を見せているに過ぎないというのが労働界の見解だ。 三星はイ・ビョンチョル創業者に続き、イ・ゴンヒ会長が総帥を受け持っている去る70余年間、無労組経営原則を守ってきた。 だが、グローバル社会で人権・労働・環境・消費者などに関連した企業の社会責任が国際標準になり、国内的にも経済民主化が時代精神として浮上する中で三星の無労組経営も大きな挑戦に直面している。 クァク・ジョンス先任記者 jskwak@hani.co.kr