下位20% 全額奨学金支給
現行制度 恩恵対象 大幅拡大
支給基準、国公立大授業料から在学中の学校の授業料に変更
来年予算44%さらに必要だが
授業料引き上げ分まで抱え込む
‘半額授業料’は朴槿恵(パク・クネ)当選者の代表公約中の一つだ。
朴当選者は「経済的能力に関係なく勉強する能力と意志さえあれば誰でも大学教育を受けられるよう2014年までに大学授業料を半分に減らす」と約束した。 授業料負担緩和を順次的に行うために、今年の関連予算も昨年より5688億ウォン(国家奨学金増額分5250億ウォン+学資金貸し出し利子減額分436億ウォンなど)増やした。
ところで朴当選者の‘半額授業料’とは、授業料告知書に印刷される金額自体が半額に減るのではなく、両親の所得に応じて学生たちに国家が奨学金を差別的に支援する形態だ。 ところがその対象が全体の80%なので所得上位20%を除いては全員が恩恵を受ける。 朴当選者は実際の大学授業料金額とは関係なく所得が最も低い下位1~2分位には全額国家奨学金を支給し、3~4分位には75%、5~6分位には50%、7~8分位には25%を支給すると公約した。 所得上位20%である9~10分位には‘心強い学資金’(就職後授業料償還制)貸し出し資格を付与すると約束した。 加えて三番目の子供からは所得と関係なく授業料の全額を奨学金として支給すると言った。
李明博政府が昨年から施行している国家奨学金制度は‘Ⅰ類型’と‘Ⅱ類型’に分かれる。 ‘Ⅰ類型’は基礎生活受給者と所得1~3分位の学生たちに奨学金を差別支給することだ。 基準は国公立大授業料だ。 これに伴い、基礎生活受給者は国公立大授業料の100%(最大450万ウォン),所得1分位は50%(225万ウォン),所得2分位は30%(135万ウォン),所得3分位は20%(90万ウォン)を奨学金として受け取る。 所得4~7分位に該当する学生は‘Ⅱ類型’奨学金を受け取るが、これは国家が各大学に予算を支援すれば大学で学校の自主的な基準により学生たちに奨学金を支給するものだ。 所得8分位以上は奨学金はもちろん‘心強い学資金’貸し出しの対象にもならない。
朴当選者の半額授業料公約は現在施行されている国家奨学金制度の恩恵対象と支援金額を拡大したものだ。 奨学金支給基準を現在のように国公立大授業料ではなく実際に通う学校の実際の授業料に変えたことも変更点だ。
たとえば授業料737万ウォン(昨年の4年制私立大授業料平均額)の私立大に通う基礎生活受給学生ならば、今年までは国家奨学金を100%支援されても基準である国公立大授業料の450万ウォンしか受け取れないので差額の287万ウォンは個人的に出さなければならなかった。 だが、朴当選者の公約が施行される2014年からは、この学生は授業料負担がなくなる。 対象も増えて所得下位20%家庭までが大学授業料負担がなくなるということだ。 大学の事情と成績など複雑な基準によりそれぞれ異なる奨学金を受けとっている所得基準中産層および中下流層家庭である3~7分位家庭の学生たちも実際の授業料の25~75%を国家から支援されることになる。
問題は財政だ。 昨年の国家奨学金関連予算は1兆7500億ウォンだった。 今年の関連予算は何と59%増えた2兆7750億ウォンだ。 我が国の授業料全体規模が総額14兆ウォンであることを考慮すれば‘朴槿恵半額授業料’が本格的に始まる来年には7兆ウォンが必要だ。 朴当選者の公約はこの内、毎年国家が4兆ウォンを負担し、2兆ウォンは既存の校内外奨学金、そして1兆ウォンは各大学が自助努力を通じて支援しろということだ。 ひとまず来年には国家奨学金予算を今年より44%増やさなければならない。 また、大学がどのように自助努力を行い奨学金を出すよう強制するかも難しい問題だ。 大学ごとに財政状況も大きく違う。
さらに根本的には大学が授業料を実際に下げるよう規制したり誘導するのではなく、授業料は上がれば上がっただけ国家が補填するということなので、大学が逆に継続的な授業料引き上げを行うこともありうる。 大学が授業料を上げれば財政負担はより一層加速化する。 パク当選者側アン・ジョンボム議員は「教科部が今年授業料引上げ率の上限を4.7%に制限し、(このような制限は)今後も続けるので大きな問題にはならない」と話した。 だが、半額授業料運動を繰り広げてきたアン・ジンゴル参与連帯民生希望チーム長は「授業料引上げ率を制限するとしても、(授業料が)上がっただけ予算も増えざるを得ない。 授業料上限制と高等教育財政交付金制度を導入しなければならない」と話した。
大学生が韓国奨学財団ホームページ(www.kosaf.go.kr)を通じて国家奨学金を申請し、住民登録番号と名前などの個人情報を入力すれば財団で健康保険料納付額・両親年所得・両親財産保有現況などを総合的に考慮して所得分位を算定して奨学金金額を決める。 公共機関の個人情報保護に関する法律により、学生個人には本人の所得分位がどの分位なのかは知らせない。
パク・スジン、チョ・ヘジョン記者 zesty@hani.co.kr
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‘半額授業料財源’ 7兆の内 3兆は大学が用意すべき
奨学金支給・授業料引き下げが必要
現在規模で8千億さらに負担しなければ
大学らは‘教育不健全化’憂慮
朴槿恵大統領当選者が約束した‘半額授業料’に必要な財源7兆ウォンの内 3兆ウォンは大学の持分だ。 奨学金を支給したり授業料を引き下げて用意しなければならない。 2011年全国の大学が用意した校内外奨学金の規模は2兆2000億ウォンだった。 算術的に見れば、8000億ウォン程を奨学金追加拡充、授業料引き下げなど自助努力を通じて確保しなければならないわけだ。
大学は内心政府が‘半額授業料’と格好だけは付けながら‘自助努力誘導’という名分で大学に負担を転嫁しているとして不満を感じている。 ‘我々はすでにやれるだけはやっている’という不機嫌な声も出ている。
ソウルのある4年制私立大関係者は「政府財政支援制限大学および学資金貸し出し制限大学選定のための大学評価で高い比重を占める項目が授業料引き下げ率と奨学金拡充率などだ。 そのために大学は金がなくてもやむを得ず授業料は下げて、奨学金を増やしている」と話した。 彼は「苦しい財政を絞りながらも外国碩学を招へい教授に迎えたり各種研究を支援するなど国際化指数も高めなければならず、教員拡充など教育環境改善にも努力しなければならない。 大学競争力を高めるには金がかかるものが多いが、大学のほとんど唯一の財源である授業料は下げろと言われて本当に堪え難い状況」と不平を爆発させた。
また別の4年制私立大関係者も「大企業が財団であったり、大学がビル賃貸など自主的収益事業をしない限りは奨学金拡充などのための財源調達が難しい。 結局、職員給与の削減など‘タコが足を食べる’ほかはない」と話した。
‘半額授業料’政策が教育の内容の不実化につながる恐れがあるということだ。 これと関連してイム・ウンヒ韓国大学教育研究所研究員は「国家支援と大学の奨学金を組み合わせて算術的にだけ半額授業料を作るのではなく、国家が意志を持って関連予算をきっぱりと増やすことが必要だ」と指摘した。
パク・スジン記者 jin21@hani.co.kr