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[時論]‘チョルス’と‘ジンスク’は会わなければならない/チョ・グク

原文入力:2011/09/14 21:01(2021字)


アン・チョルス現象とキム・ジンスク現象が会い、新しい政治・経済・社会パラダイムと体制を作り出す時、韓国社会の真の進歩は始まるだろう


←キム・ジンスク民主労総指導委員(左側)とアン・チョルス ソウル大融合科学技術大学院長. ハンギョレ資料写真


最近ソウル市長候補単一化過程の中で社会的中心人物がキム・ジンスクからアン・チョルスへ急変した。選挙を控え労働から政治へ関心が変わったことは自然のなりゆきだ。そして秀でた支持率のアン・チョルス ソウル大融合科学技術大学院長がソウル市長候補単一化過程で見せた快く淡泊な譲歩は大きな感動を与えた。候補単一化過程で既成政治家たちが見せる姿とは違うものだったために より一層そうだった。

その後アン院長は直ちに大統領選挙有力走者になるほど、彼に対する期待は大きい。このような‘アン・チョルス現象’は組分け式既成政治に対する大衆の不信と嫌悪がアン・チョルスという新しい‘英雄’を媒介に爆発したのだ。大衆と謙虚に会い共感するというよりは、教えて引っ張っていこうとする既成政治、大義と献身よりは政治工学的算法に首ったけになる既成政治に対する大衆の峻厳な警告だ。


また、この現象は合理的で公正な競争と、それに基づく成功を希求する我が国社会の多くの '乙’たちの熱望の産物だ。財閥に領域を奪われ下請け単価を合わせることに息を切らす中小企業と自営業者、単位とスペック管理のために青春を送り、大学を卒業しても良い働き口が空の星をとる程に難しい若い‘余剰’たちの鬱憤がその後にはある。国家が自分たちの夢と苦痛を無視する状況で'乙’たちは暖かい慰労と助言をあたえる成功したベンチャー企業家‘メント’に出会ったのだ。


事実‘合理的中道’ということができるアン院長が、中小企業という‘動物’を閉じ込めて殺す‘動物園’だと財閥を批判し、候補単一化過程で‘反ハンナラ党’を宣言したことは彼が‘左派’だからではなく、財閥やハンナラ党など執権勢力の有様が非合理と不公正そのものだったためだ。


ところでアン・チョルスに対する歓呼と拍手の中で秋夕連休にも高さ35mの85号クレーン上で籠城しているキム・ジンスク民主労総指導委員の死闘は埋められている。韓国最初の女性溶接工キム・ジンスクは五十才になって なぜクレーンに上がったのだろうか? また、全国各地でなぜあれほど多くの人々が‘希望のバス’に乗って釜山韓進重工業に走って行ったのだろうか?


韓国の最低賃金水準は経済協力開発機構(OECD)の中で最低水準だ。同じ場所で同じ量と質の労働をしても、非正規職の賃金は半分だ。OECD最低水準の福祉で社会的安全網が裂けているため、解雇はまさに没落または死を意味する。しかし財閥は史上最高の利益を上げても費用節減を理由に労働者を容赦なく‘整理’する。執権勢力は表面では‘共生発展’または‘資本主義4.0’を掲げているが、内部では徹頭徹尾‘ジャングル資本主義’を実践している。


‘希望のバス’にからだや心を乗せた人々は、このような抑圧と搾取の体制に反対するために立ち上がった。資本の論理に対抗する労働の強化、‘社会的殺人’を防ぐための弱者との連帯、これがまさにキム・ジンスク現象の核心だ!


アン・チョルス現象の肯定的意味、非常に大切だ。アン院長が社会的活動を越え政治的活動をするのも良いことだ。しかしキム・ジンスクは消えアン・チョルスだけが浮び上がる現実は残念だ。キム・ジンスクが250日を超えて全身で叫んでいる問題を解決できない政治が恥ずかしい。


←チョ・グク ソウル大法学専門大学院教授


アン・チョルスとキム・ジンスクの間に隙間は明らかに存在し、アン・チョルス現象だけではキム・ジンスクの切なる願いは解決されそうにない。ところが事実 両者は重なる面が多い。資本中心の世の中から合理と公正に到達するためには労働の力が大きくならなければならない。事実‘暖かい資本主義’になるためにも労働が重要だ。労働者が尊厳を維持して生きるためには合理と公正が世の中の基本規則に位置しなければならない。先日、キム・ジンスクはクレーンの上で歌手キム・ウォンジュンの歌<織女に>を歌った。"離別がとても長い。悲しみがとても長い…私たちは会わなければならない。" 今こそアン・チョルス現象とキム・ジンスク現象は出会わなければならない。そうして新しい‘現象’を作り出さなければならない。‘チョルス’と‘ジンスク’が力を合わせて新しい政治・経済・社会パラダイムと体制を作り出す時、韓国社会の真の進歩は始まるだろう。


原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/496091.html 訳J.S