原文入力:2011/09/01 18:59(1781字)
"チャン・ジャヨン口座から正体不明の高額小切手が出てきた。
高額小切手の主人は20~30人だ" その真相は?
←チョン・ジェグォン論説委員
特別な波紋を起こすことはなかったが、注目を集める記事が去る7月号の<新東亜>に載せられた。題名は‘故チャン・ジャヨン事件 捜査秘話’。去る3月<SBS>がハプニングとして一段落したチャン氏の‘自筆手紙’を報道したことにより再び火がついたチャン氏の酒席接待および性上納強要疑惑捜査に関する取材記録だ。‘秘話’という表現に相応しく、この記事には疑惑の本領を衝いており、私達が知ることができなかった‘ファクト’(事実)がある。記事の要旨はこうだ。
"チャン氏が亡くなる前、色々な人から金銭的援助を受けていた事実が警察の捜査で明らかになった。チャン氏、そして親しい周辺の人の口座に正体不明の100万ウォン以上の高額小切手が入金されていた。この小切手はチャン氏が亡くなる4~5ヶ月前の2008年10~11月までに口座に入り そして引き出されていた。警察は高額小切手の主人20~30人を対象に経緯調査を行った。具体的な名簿は確認されていないが、企業の代表や役員が多かった。彼らは警察の調査で‘偶然知り合ったが哀れでお金を与えた’‘有難くて交通費として与えた’‘ゴルフ場で偶然に知った後、生活が苦しいので単に与えた’等の説明をした。警察は小切手取引過程で犯罪容疑に関連する証拠が出てこず彼らを処罰対象に上げることができなかったという。」
びくっとした。チャン氏事件が起きた2009年3月以後、マスコミ取材と警察発表などで高額小切手の話は出てこなかった。高額小切手が事実なら、チャン氏事件の実体に接近できる核心材料だ。‘非力な’女性芸能人が強要されて‘有力な’男たちの接待手段になった非正常的権力関係が事件の本質であり、高額小切手はそれを立証する重要な端緒であるためだ。
当時 捜査を担当した警察関係者などと直間接に接触した。予想どおり大概は「頭を痛めながら過ぎ去ったたことをまたかき回すのか」として言及を避けた。そして「どうか訊いてくれるな」と訴えた。だが、ある関係者の口から決定的な話が出てきた。「事実だ。小切手が出てきて全て追跡した。だが、小切手の主人が一様に接待との関連性を認めなかった。どうしようもなかった。」高額小切手は事実だったのだ。
偽りを言うことが難しい法廷で捜査当事者に問い質すことができる機会があったが失敗に終わった。去る29日、ソウル中央地裁ではイ・ジョンゴル民主党議員の名誉毀損訴訟裁判が開かれた。イ議員は2009年国会対政府質問等を通して‘チャン・ジャヨン リスト’を引用し、チャン氏が<朝鮮日報>高位層を接待したのではないかという疑惑を提起し起訴された状態だ。この日の裁判には朝鮮日報高位層を捜査した当時の京畿地方警察庁幹部が検察側証人として出てくる予定だったが出席しなかった。弁護人らが高額小切手に対して追及する場が消えたことは残念なことだ。
高額小切手はどれくらい出てきたのだろうか? 主人は誰だろうか? なぜ警察は小切手の主人を捜査し発表しなかったのだろうか? 常識の目線で気がかりなことが多い。‘死者’は口がないから、警察の言葉通り小切手が渡された理由を確認することは難しかったかもしれない。ところが小切手の存在自体を隠した警察の態度はどうしても怪しい。ひょっとして警察が‘パンドラの箱’を開けても一生懸命に分からないフリをしたり、自ら蓋を閉じたのならそれは明白な職務遺棄だ。
それ故に19日から始まる国会国政監査が待たれる。警察庁国政監査でチョ・ヒョノ庁長を相手に小切手の真実を問い質さなければならない。‘被害者はいるものの加害者はいない事件’の加害者を探さなければならない。ちょうどチョ庁長は当時、京畿警察庁長として捜査状況の報告を受けた当事者だ。 チャン・ジャヨン事件はまだ終わっていない。 jjk@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/494456.html 訳J.S