原文入力:2010-11-29午後09:24:26(1419字)
李明博大統領が昨日、北韓による延坪島砲撃と関連して対国民談話文を発表した。国民が感じる安保不安が非常に深刻な時点だ。したがって安保危機の根源に対する真剣な省察と対策提示が当然なければならなかったが、そうできなかった。
まず、イ大統領は「去る20余年間、我々は対話と協力を通じて北核問題解決のために努力してき、人道的支援も惜しまなかった」とし「しかし我々に戻って来たのは核開発と天安艦爆沈に続く延坪島砲撃だった」と話した。これは、あたかも前任政府の対北韓和解協力政策が今日の北韓の挑発を招いた原因であるかのように曖昧に言葉を流すことだ。しかし、李明博政府スタート以後、人道的支援を含む主要対北韓和解協力措置が中断され、すでに三年目だ。イ大統領の言及は現政権がした仕事はごっそり取り除き、前任政府に責任を転嫁しようとするという点で卑怯 且つ 不正直だ。
実際、和解協力政策が繰り広げられた時期には北韓が今のように武力挑発を行わなかった。端的な例として盧武鉉政府の5年間、西海北方境界線(NLL)を巡り発生した交戦や死傷者はなかった。この間続いている北韓軍の海岸砲射撃と天安艦事件(北韓の仕業と見る場合),そして今回の延坪島砲撃のような高強度挑発は現政権になって現れた新しいパターンだ。結局、イ大統領の談話は前任政府が多様な政策手段を動員し北韓の威嚇を管理してきたこととは違い、自身が威嚇管理に失敗した現実を糊塗している。
イ大統領は今後、北韓の威嚇をどんな方式で制御するのか、具体的な解決法を全く示さなかった。ただ 「いかなる威嚇と挑発にも退かず対抗する勇気」について原則的言及をしただけだ。これは天安艦事件後、各種対北韓圧迫策を動員したために、これ以上は適当な手段が見当たらないという現実と関係があると見ざるを得ない。「北韓が自ら軍事的冒険主義と核を放棄することを期待することは難しいことを知ることになった」という表現も、6者会談には比重を置かないという意と聞こえる。
問題はこういう方法で進めば、北韓の威嚇を減らすことができるのかという点だ。色々な圧迫策を全て動員しても今のような状況に達したのに、既存政策に対する省察はなく、新しい対北韓政策ビジョンも提示しないならば、安保威嚇が解消されるだろうと期待することは難しい。前任政府も北韓が挑発的な集団であることを知らずに和解協力政策を使ったわけではなかった。イ大統領は原則的確約だけを繰り返すのではなく、現政権の対北韓政策が限界点に達したことを直視することを望む。
イ大統領が国民の生命と財産を守ることが出来ない責任を認めたことは当然だ。ただし、すでに責任を認めた以上、これまでの過程を再度点検し危機対応の失策が繰り返されないようにすることを望む。具体的には国防部と一線部隊を恨む前に、大統領自身と大統領府がもたらした混線から省察するのが当然だ。たとえば大統領が砲撃当日、戦争拡大自制指針を下し、同日に指針を翻意したことは危機状況で混乱をそそのかした代表的事例だ。国防長官を更迭したことで乗り切るのではなく、事態の顛末と責任所在を必ず明らかにしなければならない。
原文: 訳J.S