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【社説】旧統一教会・韓鶴子総裁拘束、政教癒着根絶の契機にせよ

登録:2025-09-24 07:08 修正:2025-09-24 09:42
旧統一教会の韓鶴子総裁が22日午後、ソウル市瑞草区のソウル中央地裁で開かれた令状実質審査に出廷している=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

 旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁が、保守野党「国民の力」のクォン・ソンドン議員に違法な政治資金を供与した疑いで拘束された。拘束令状を発付した裁判所は、韓総裁に証拠隠滅の恐れがあると明らかにした。韓総裁は特検の調査で証拠が数多くあるにもかかわらず、疑惑を否定し、唐突に「独生女理論」を主張するなど、あたかも治外法権があるかのような言動をとった。法の前の平等は宗教指導者も例外ではない。

 ソウル中央地裁のチョン・ジェウク令状専門担当部長判事は、政治資金法違反、請託禁止法違反、業務上横領、証拠隠滅教唆の疑いが持たれている韓総裁について、「証拠隠滅の恐れがある」として、23日未明に拘束令状を発付した。旧統一教会のユン・ヨンホ元世界本部長の陳述や札束の写真など、確実な物証があるにもかかわらず、韓総裁は疑惑を頑なに否定した。17日の特検調査の後、旧統一教会は「真のお母様が特検の検察官らに、天の父母様と真の父母様の摂理を説明した」ことを明らかにした。犯罪容疑で捜査機関の調査を受ける状況でありながら、逆に「特検の検察官らに教えた」というあきれた主張をしたのだ。韓総裁があたかも実際に施行される法律を超越する存在であるかのように偶像化を図ったが、嘲笑を買うだけだった。

 韓総裁の令状には、2023年の国民の力の全党大会を前に、旧統一教会の信者を多数入党させた疑いは含まれていなかった。韓総裁をいったん拘束した後、当時の政権与党の「政教癒着」疑惑についての調査を本格化するものとみられる。特検は最近の家宅捜索で、国民の力の全党員のうち、旧統一教会の信者と推定される11万人分の党員名簿を確保した。このうち、「コンジン法師」ことチョン・ソンベ氏と旧統一教会のユン元本部長が信者の入党を議論した2022年11月から、党代表選が行われた2023年3月までの間に加入した旧統一教会の信者は、約3600人とされる。政権与党の党代表選に特定の宗教が介入した事実は、看過できない問題だ。韓国憲法(第20条)は、政治と宗教は分離されなければならないと規定している。さらに、旧統一教会のユン元本部長がチョン氏とやり取りしたメッセージからは、国民の力の別の議員も旧統一教会に助けを求めていた状況が浮かび上がっている。

 これとは別に、「(海兵隊員)C上等兵死亡」事件に関連し、海兵隊のイム・ソングン元第1師団長の救済ロビー疑惑が持たれているキム・チャンファン牧師は、C上等兵特検からの3回の参考人出頭要請をすべて拒否した。それどころか、「恥をかかせるような捜査について謝罪せよ」と声を荒げている。上官の不当な指示によって若い兵士が死亡した事件の真相を究明するために発足した特検だ。宗教界の重鎮であるなら、むしろ積極的に特検の捜査に協力すべきではないか。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1220308.html韓国語原文入力:2025-09-23 18:28
訳M.S

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