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[社説] 権力型不法査察、玉虫色で見過ごすことはできない

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/427526.html

原文入力:2010-06-25午後07:06:34(1136字)

国務総理室公職倫理支援官室が民間人を相手に行った不法査察の内幕が少しずつ明らかになっている。ブログにあげた李明博大統領非難動画は一つの発端だったに過ぎず、総理室の主標的は前の与党政治家に対する拘束であったことがわかっている。この過程で総理室が動員した各種の無理手は脱法や違法という言葉が面目を失うほどだ。法と手続きなどは全く無視した超法規的形態の連続だった。

被害者キム・某氏の話を総合すれば、総理室は彼が同郷出身の政治家(イ・クァンジェ当時民主党議員)や ろうそく集会などに後援支援金を提供したのではという疑惑を持ち内密調査を始めた。イ前議員とは一面識もないといくら訴えても手のつけられない状態だったという。総理室はキム氏の会社を不法的に押収捜索したことでも足りず、会社職員らまで呼び調査を行った。「政治資金を明らかにしなければ会社に対する税務調査をする」という脅迫もはばからなかったという。自分たちが自ら捜査機関として振舞ったことだけでもとんでもないが、‘捜査技法’までが低質なことは言うにおよばない。

総理室が警察に捜査を依頼した方式も通常の手続きとは距離が遠い。警察庁やソウル警察庁などを経由せず、直ちに一線警察署と直取引をした。この捜査が権力型‘請負捜査’だったことを示す傍証だ。

今回の事件の波紋が日に日に大きくなるにも関わらず、総理室は問題の公職倫理支援官に対し待機発令を出しただけで、未だ調査にも着手しなかった。当事者の総理室に調査資格があるかも疑問だが、こういういいかげんな態度で真相究明できるわけがない。その上、問題の公職倫理支援官は現政権の最大実力者グループらが布陣した地域出身だ。当初、内密調査が始まったのが参与政府出身要人らに対する大々的な企画査定が始まる頃である点を考慮すれば、事件の意味と波紋はより一層大きくなる。果たして公職倫理支援官が独断的に内密調査を決めたのか、当時の総理室長を含む上層部線は報告を受けなかったのか、大統領府など政権核心勢力らの黙認・ほう助はなかったのかなど、明らかにしなければならない内容が数えきれない程多い。

今回の事件に身の毛がよだつ訳は、どこの誰でもこのような青天の霹靂をむかえる可能性があるためだ。標的を定めれば手段と方法を選ばずに飛びかかる権力、個人の暮らしがどうなろうが知ったことではないという政府、彼らの下で生きていくことが真に苦痛で絶望的だ。

原文: 訳J.S