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[コラム]小柄になる魚たち、気候変動の影響か

登録:2024-05-19 20:02 修正:2024-05-20 06:39
Jaewoogy@chol.com//ハンギョレ新聞社

 海は長い間、人間の食糧の主な源泉だった。少なくとも30億人を超える人々が魚など海産物を主要なたんぱく質の供給源としているという。

 そのような豊かな海が、気候変動や汚染、生物多様性の毀損で苦しんでいるという話が出て久しい。国連食糧農業機関(FAO)は、生物学的に持続可能でない魚族資源が1974年10%から2019年35.4%に増えたと明らかにしている。我々人間の過ちで重要な食糧資源が減っているのだ。

 最近、憂慮がもう一つ増えた。魚の個体数だけでなく、体も小さくなっているという。先日、科学ジャーナル「サイエンス」に発表された論文によると、1960年と2020年の魚の大きさを比べてみると、4分の3ほど小さくなったと観察されたという。これは、それだけ大きな魚を釣ることが難しくなったという意味であり、同じ量のタンパク質を得るためには以前より多く釣らなければならないという話だ。当然、乱獲の誘惑はさらに大きくならざるを得ない。

 なぜ魚が小さくなったのだろうか。専門家の間で異見がない理由の一つは、釣り人であれ漁業従事者であれ、皆が大きな魚を釣ろうとしているという事実だ。そのため、小魚がより長く生き残るようになり、また小魚の遺伝子が後代により多く広がるということだ。

 しかし、人間があまり獲らない魚種についても体が小さくなったという点で、このような説明は十分ではない。そこで専門家たちが徹底的に調べた結果、水温が重要な役割をするという事実が明らかになった。実際、米国の専門家は淡水マス400匹のうち1群を水温15度の水に、他の群は20度の水に入れて8カ月間育てた実験結果を発表した。その結果、驚くべきことに温かい水に入れたマスの大きさは冷たい水に入れたマスの半分しかなかった。

 どうしてこんなことが起きるのか。専門家の間でもまだ論争中だ。有力な仮説はエラと関連がある。魚は体温調節機能がないため、水温が上がればより多くの酸素を要求する。しかし、エラの容量の限界で、より多くの酸素を呼吸することはできない。そのため、代わりに体を小さくして酸素要求量を減らす選択をしたという説明だ。しかし、実際に解剖してみると、暖かい水でも魚のエラの容量は不足していなかったという反論もある。

 正確な原因が何であれ、魚の大きさからも気候変動の広範囲な影響力が発見されるという事実に驚かずにはいられない。

パク・ピョンス国際部先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1141093.html韓国語原文入力:2024-05-19 18:46
訳J.S

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