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[社説]朝日対話中止、韓国政府の責任がさらに大きくなった

登録:2024-03-27 06:10 修正:2024-03-27 09:04
北朝鮮の金正日総書記(右)と小泉純一郎首相(当時)が2002年9月17日、平壌宣言に合意した後、握手を交わしている=日本写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮のキム・ヨジョン朝鮮労働党中央委員会副部長が26日、談話を出し「日本とのいかなる接触も、交渉も、無視して拒否する」とし、対話中止を宣言した。日本の岸田文雄首相が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と会いたいという意向を伝えてきた、という事実を公開した翌日に起きたことだ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領就任後、南北対話がすでに2年近く断絶した状況で、朝日接触まで中止されるのは、朝鮮半島情勢の安定において良いこととは言えない。韓国政府の責任と負担がさらに大きくなった。

 朝日対話が止まったのは、これまで朝日対話を妨げてきた主なイシューの核・ミサイル問題と拉致問題をめぐる隔たりが埋まらなかったためだ。キム副部長は同日、日本には「歴史を変え、地域の平和と安定を図り、新たな朝日関係の第一歩を踏み出す勇気が全くない」とし、「日本と何ら関係のない核・ミサイル懸案という表現を持ち出した」とし、「解決しようともそのすべがなく、また解決するところのない到底乗り越えられない問題(拉致問題)にこだわっている」と非難した。日本の態度は変わっていないのに話し合いをしても無駄だから、対話をやめるということだ。

 岸田首相が昨年5月以降、首脳会談を望むという意思を明らかにしてきたのは、安倍晋三元首相(1954~2022)ですらも解決できなかった拉致問題を解決することで、20%台前半まで落ち込んだ支持率の劇的な上昇を狙うためだった。北朝鮮の立場は、対話をするつもりなら拉致問題など持ち出すなといったものだが、日本国内の事情から、この話をせざるを得ない。小泉純一郎元首相の二度にわたる平壌(ピョンヤン)訪問(2002、2004)や安倍元首相時代のストックホルム合意(2014)が失敗に終わったのも、結局拉致問題をめぐる日本国内の対立を解決できなかったからだった。

 北朝鮮は韓米日などと真剣な対話をしている時は、核とミサイル発射実験など軍事的挑発を控えてきた。そのような意味で、朝日対話の中止は、朝鮮半島情勢に悪影響を及ぼしかねない不吉なニュースだ。南北関係が完全に壊れた状況なのでなおさらだ。

 尹大統領は就任後、北朝鮮に背を向けたまま米国や日本との関係の強化に「全賭け」してきた。一方、日本は北朝鮮と積極的に意思疎通を図っており、米国も最近になって北朝鮮と対話を模索したいというシグナルを送っている。11月の米大統領選挙でドナルド・トランプ前大統領が勝利すれば、朝米対話が再開されるかもしれない。韓国政府は、このような流れに疎外されないよう、南北関係の回復に向けた果敢な政策転換に乗り出さなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1133963.html韓国語原文入力:2024-03-26 19:34
訳H.J

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