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[道を探して] 民主女性団体‘松柏会’率いて市民軍 支援/整理

原文入力:2010-05-03午後09:05:37(2323字)
5・18 30周年-5月を守ってきた女性たち②ホン・ヒユン

←1979年5月、松柏会創立1周年を記念して光州付近の和順の松石亭へ野遊会に行った。20代後半~30代初めの若い会員たちの姿は5月抗争以後の度重なる弾圧で大部分の資料が失われほとんど唯一の写真となった。後列左から総務ホン・ヒユン、(ひとり置いて)キム・ギョンチョン、初代会長ナ・ヘヨン氏などだ。

息子がひっかかり最後の瞬間に道庁を去る
負債意識に身を奮い起こし‘キッパル(旗)’執筆

 "5月は何か人々を狂わせる。今でも突然に癇癪を起す。恐らく5月の魂がまだ寝つけていないからだ。闘魂…業みたいです。私もそうだった。寝ていても突然むくっと起きて夜を明かし狂ったように何かを書かずにいられなくなる…それがキッパルだ。"

‘純粋ソウル生まれ、梨花女子大出身 文学徒’ホン・ヒユン(写真・ペンネーム ホン・ヒダム)が光州と縁を結んだのは1976年、当時 夫の作家ファン・ソギョンが<張吉山>執筆と新しい文化運動を夢見て全南、海南に降りてきてからだ。海南の家に数多くの人々が訪ねてきて討論を行い…彼はその面倒見を文句も言わずに遂行した。そのような78年、ユン・ハンボンに出会った。‘ハプス’(糞尿の混ざった肥料)というニックネームどおり、ユン・ハンボンは‘80年5月の首魁’とされ手配・密航・帰国・病死に至る波乱の人生を送り旅立った‘光州民主化運動の柱であり肥料’のような人物だ。

 "どれほど…その目といったら子供のようにきれいで…その一方で話す時には決意と気勢があった。情熱と自信、きれいで純粋、彼には人を引き寄せる人間的な魅力があった。"

続いて光州に暮らしを移したホン・ヒユンは、その年12月 地域で初めての独立民主女性団体‘松柏会’を作る先頭に立った。総務を引き受けた彼女は維新反対運動圏男性の夫人たちの親睦会として始め、翌年には運動団体に組織を広げ確立した。まず民主人士らの囚人の世話事業を掲げ、毎月1回の定期学習会を通じて社会科学・社会運動・近代史・政治経済史などに対する認識を共有していった。拘束または、手配犯家族、教師、市民運動家、労働者など多様な背景の女性たちが参加したが、目標は‘女性・民衆解放’に向かっていた。松柏会は特にバザー会や絵画展などを開き、拘束者囚人の世話と手配犯人逃避資金を着実に提供した。その中でも隠れ場所の用意はソウルに縁故があり芸術家らとも人脈が広かったホン・ヒユンの役割だった。彼女が要請をすれば、ある人は最初から足も入れないようにし、ある人は危険を承知で匿ってくれたが、概して女性たちがはるかに温情的でよく助けてくれたと彼女は追憶した。

←ホン・ヒユン(ペンネーム ホン・ヒダム)氏

こういう組織的活動は80年5月抗争の初期から女性たちが募金、大字報作成、闘士会報編集・配布、旗・リボンの製作、宣伝・広報など、闘争の全過程に積極的に加担できる土台となった。

‘5・18’その日はちょうどファン・ソギョンが自身で設けた劇団'広大'の<ハン氏年代記>公演を準備して、小劇場資金を貯めようとソウルに行てえいて、いなかった。ホン・ヒユンと松柏会会員たちは空輸部隊の蛮行と真相を広くきちんと知らせようと1年前から美術品販売で貯めておいた会費を全て闘争基金として出し積極的に参加し始めた。当時、'広大'団員で親しかったイム・ヨンヒはホン・ヒユンが家を売った金まで一部加えたと耳打ちした。彼女は毎日、楊林洞から道庁に往復し市民軍に食べ物を提供し闘争の便りを知らせた。当時8才の一人息子(ファン・ホジュン)がひっかかり最後の瞬間に道庁に残ることができなかった彼女、だがその時に会った労働者たちのその善良な笑いと暖かい心、死の淵の切迫した瞬間に花開いた同志愛…、ホン・ヒユンにとって、それは一生抱いて生きていく資産となった。彼女はそのようにして新しい歴史意識に目を開いた。
以後、ホン・ヒユンは2度も捜査機関に連行され過酷な脅迫にあった。80年5月抗争の合法化のための闘争の時、松柏会の資金策に追われ警察に苦しめられた。結局、その年 松柏会は表面的に解体を宣言したが実際には以後も女性労働者たちと拘束者の支援活動を止めなかった。89年にはファン・ソギョンの平壌訪問をスパイ事件として操作しようとしていた安全企画部に痛めつけられた。
ホン・ヒユンはインタビューをひどく嫌う。‘私は特別なことをしていない。単に光州市民ならば誰でもそうしたのだ。’慎ましく手を振るだけだ。だが、還暦を過ぎても相変わらず少女のような情熱と、生き残った者の借金意識がある5月に彼女を突然奮い立たせた。寝ていてガバッと起きて書いた文が、まさに88年‘作家ホン・ヒダム’として世の中に初めて披露した<キッパル>だ。“キッパルの主人公は5月の道庁で生きて息をしたすべての労働者たちだ。”

“芸術家たちは毎日揺れて。”息子と嫁までも全てが芸術の道を歩いているので、自分だけでも日常の中心を捉えて生きるべきと、喜んで孫を見守っているハルモニ。それでも‘5月は彼女を狂わせるその何かが。’毎年その日になれば一回ずつ彼女の胸をなめ尽くし過ぎ去る、何か暴風のような…、寝つかれない、寝つくことのできないその何かがある。

整理 光州全南女性団体連合

原文: https://www.hani.co.kr/arti/SERIES/185/419087.html 訳J.S