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[コラム]アイドルの恋愛は有罪?=韓国

登録:2024-03-13 06:22 修正:2024-03-13 11:21
//ハンギョレ新聞社

 「愛しすぎた罪~」バンド「FTISLAND(エフティー・アイランド)」は「恋煩い」(2007)でこのように歌った。「愛は有罪」という言葉は歌やドラマだけの話だと思っていた。ところが、そうではなかった。現実で、それも失恋の後に訪れる胸の痛みではなく、咲き始めたばかりの恋愛が有罪になってしまった。

 女性アイドルグループ「aespa」のメンバーのカリナは5日、ファンに謝罪する内容の直筆手紙をソーシャルメディアに投稿した。俳優のイ・ジェウクと交際中という報道が出て、所属事務所もそれを認めたのが、わずか1週間前のことだ。熱愛報道が知らされると、一部ファンは怒りをあらわにし、所属事務所のSMエンターテインメント本社前でトラックデモまで行った。トラックの電光掲示板には「直接謝らなければ、アルバム販売量の低下とがらんとしたコンサート会場を見ることになる」と書かれていた。SMの株価は連日下落した。

 このような事態を懸念し、契約書に恋愛禁止条項を入れる事務所もある。グループ「god」のパク・ジュンヒョンは2001年、俳優のハン・ゴウンとの交際を宣言し、グループから追い出される危機に瀕した。しかし、他のメンバーとファンがむしろそれに反対する声を上げたことで、所属事務所は白旗を掲げた。当時、パク・ジュンヒョンが記者会見で涙声で「私は32歳です。32歳なら、彼女がいてもおかしくないでしょう」と語った場面は、彼がアイドルである以前に我々と同じ人間であることを気づかせた。

 時計の針を巻き戻したかのような今回の事態は、さらに高度化したK-POPの産業構造と深くかかわっている。K-POPは今や、音楽より幻想を売る産業になった。歌手たちは様々なプラットフォームでファンとコミュニケーションを取り、ファンたちは「疑似恋愛」感情を感じる。熱愛報道はその感情を壊すだけでなく、売上と株価下落の要因にもなる。結局はお金の問題だ。英国公共放送のBBCは今回の事態について「韓国のポップスターは圧迫が激しいことで悪名高い産業で働いている。K-POPスターの所属事務所は彼らを『恋愛できるかもしれないと思わせる』アイドルとしてセールスしたがっている」と報道した。

 最近、仮想アイドルグループ「PLAVE」が音楽番組でガールズグループ「LE SSERAFIM」と歌手「BIBI」を抜いて1位を勝ち取った。漫画から出てきたようなキャラクターで構成された5人組のバーチャルボーイズグループで、多くのファンを獲得している。彼らは熱愛説や社会的物議とも無縁だ。このまま行けば、バーチャルのアイドルが人間のアイドルに取って代わる日が来るかもしれない。

ソ・ジョンミン文化部記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1131808.html韓国語原文入力:2024-03-11 19:07
訳H.J

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