クリンスマン・コリアが、アジアカップでの不振のためファンたちの失望をかっている。1次リーグ第2位で16強になったことも衝撃だが、FIFAランキング130位のマレーシアに大量失点して信用を落とした。
今大会に出場する24カ国の出場国のなかに、たやすい相手はいない。戦力は似たり寄ったりで、意外性は増した。2026年の北中米W杯に割り当てられたアジア地域のチケットが、これまでの4.5枚から8.5枚に増え、本大会出場の夢を見始めた東南アジアのチームは意気込んでいる。欧州で活動する二重国籍の大柄な選手たちが、東南アジアの代表選手としてプレーするケースもある。
サッカー韓国代表チームは大会直前は日本に次ぐ優勝候補2位だったが、1次リーグの後には5位に後退した。1次リーグの3試合すべてにベスト11を起用するくらいなので、選手層が厚いわけでもない。ライバルの日本はイラクに敗れたが、主力を交替した状態でもカラーを維持し、戦列を整備した。
サッカー代表チームの試合力は監督の影響を受けるが、基本的には各国のサッカーの総力量から出てくる。草の根サッカーの環境とエリート育成システムは決定的な要素だ。そうした側面から、日本の50年、100年の長期計画は注目される。
日本は1993年のJリーグ開始当時、「百年構想」という目標を提示した。現在、1~3部のプロチームが60チームで定着し、代表チームの選手の大半が欧州組であることはその成果だ。リーグの運営を秋春制に変える案もいきなり出てきたわけではない。
日本サッカー協会(JFA)も2050年のW杯開催と優勝の青写真を2005年に公表した。欧州組のために現地のベースキャンプを作り、欧州4大リーグで活躍する選手を30人近くに増やした。3月に退任する日本サッカー協会の会長は「誰が引き受けてもシステムはそのまま続く」として、連続性を強調する。
韓国では100年や50年の長期計画は考えにくい。地方自治体のプロチームでは、人が変わると良い政策も消えることがあり、政界とまったく同じだ。ソン・フンミンの父親のソン・ウンジョン氏が、アジアカップで韓国が優勝すれば、サッカーがさらに病んでしまうのではないかと心配するのは、厳しい状況をよく知っているためだ。
韓国代表チームには、ソン・フンミン、イ・ガンイン、キム・ミンジェなど傑出したスターがいる。トーナメントの単発の試合では、人生をかけて戦う韓国選手の特性が発揮されるだろう。それでも、代表チームの試合をハラハラしながら見守ることは、今後さらに増えることになりそうだ。