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[社説]尹大統領は「ブランドバッグ授受」めぐる立場表明を対談で終わらせるつもりか

登録:2024-01-27 06:33 修正:2024-01-27 08:26
尹錫悦大統領が25日、京畿道議政府市の議政府第一市場を訪れ、商人たちを激励している=大統領室提供//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が年頭記者会見を開く代わりに、特定の放送局と対談する案を有力に検討しているという。夫人のキム・ゴンヒ女史のブランドバッグ授受疑惑に対する批判世論が沸騰していることを受け、尹大統領が自ら立場を表明して収拾するという趣旨だ。だが、あらかじめ調整された質疑応答を通じて大統領が「言いたいこと」だけを並べる形は記者会見の代案になり得ない。

 大統領室は25日現在、公式的にはまだ決まったことはないと述べている。しかし、内部的には今月中に尹大統領がある放送局で新年対談を行う方向で検討に入ったという。放送局は「韓国放送(KBS)」が有力視されている。対談を通じて今年の国政運営の方向を説明し、キム女史関連疑惑も一緒に説明する方針だ。年頭記者会見を開くと、記者たちの質問がキム女史関連疑惑に集中する可能性が高いという点を考慮したわけだ。対談方式であれば、記者の質問に答える形でありながらも質問の内容と回答を事前に協議できる。現政権寄りの公共放送が対談のパートナーとして取り上げられているのも、このような理由だろう。結局、キム女史は「おとり取材工作の被害者」という尹大統領の認識を一方的に説明する形になる可能性が高い。

 大統領の記者会見は、国政最高指導者の国政の構想と懸案に対する意見を国民に加減なく説明する場だ。マスコミが国民に代わって大統領に質問し、大統領がこれに忠実に答えることは、国民が選んだ最高位公職者の基本的な義務である。だが、尹大統領は2022年8月の就任100日の記者会見以来、これまで一度も記者会見を開いたことがない。出勤途中の囲み取材(ドアステッピング)も2022年11月に一方的に中断され、国民との意思疎通が断絶した状態だ。

 尹大統領の新年対談推進は、マスコミを国民との意思疎通の窓口と考えるのではなく、政権の広報手段程度とみなす歪曲されたマスコミ観を表わす行動だ。特に、国民の視線が集中したキム女史のブランドバッグ授受疑惑に対する質問を避けるために、特定のメディアで行う対談で記者会見に代えることは、民主国家の指導者としての責務を裏切ることになる。尹大統領は、政権寄りのマスコミとの「約束組手」で国民的疑惑を払拭するのではなく、公式記者会見を開き、国民に代わってマスコミの質問に答えなければならない。大統領が遂行しなければならない当然の義務が毎回議論になるおかしな状況をいつまで続けるのか。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1125945.html韓国語原文入力:2024-01-25 19:50
訳H.J

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