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[社説]強制動員歪曲がさらに増した「軍艦島」展示、同調するばかりの韓国政府

登録:2023-09-20 19:34 修正:2023-09-21 09:08
東京都新宿区の「産業遺産情報センター」内部に朝鮮人強制労働で悪名高い端島(軍艦島)がパノラマ映像で展示されている=産業遺産情報センター提供//ハンギョレ新聞社

 日本が軍艦島(端島炭鉱)における朝鮮人強制動員の歴史を消さんとする歪曲がさらに巧妙になった。2015年のユネスコ世界遺産登録当時、日本政府が国際社会とした約束は死文化している。強制動員「第三者弁済案」で日本の責任を全て免除した尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は、日本の「誠意ある措置」だけを待ちながら同調している。

 ハンギョレ特派員が20日、東京の新宿にある産業遺産情報センターを訪ね、「朝鮮人に対する差別はなかった」という展示内容が多数追加されたことを確認した。「軍艦島」をはじめ世界遺産に登載された日本の近代産業施設23カ所とは関係のない造船所のある朝鮮人労働者の月給袋を展示し、「朝鮮人労働者の待遇は良かった」と見せかけた。朝鮮人強制動員と苛酷な労働環境、差別を知らせる内容はほとんどない一方で、「朝鮮人に対する差別はなかった」という証言は最も目立つところに大きく展示されている。朝鮮人強制動員と関連して追加された内容は、2015年ユネスコ世界遺産委員会の会議で日本の代表が「韓国人強制労役」を認め「犠牲者を記憶する措置をとる」と約束した英語発言の映像をQRコードを通じて見ることができる程度だ。

 日本はこのような部分を強調し、ユネスコ委員に向けて見た目を取り繕い、ユネスコ世界遺産委員会は15日、日本のこのような対応を一定部分肯定的に評価し、「約束を継続して履行する」よう促す決議を出した。前回の会議では、朝鮮人強制動員に対する説明不足などを指摘し、日本に異例の「強い遺憾」を表明したが、今回は日本に対する批判の水位が大幅に低くなった。

 日本の「歴史歪曲」ははるかに巧妙になり深刻化したが、ユネスコが日本の措置をむしろ肯定的に評価したのは、尹錫悦政権が進めた韓日関係改善が重要な要因になったと日本メディアも報道している。尹政権は、韓日関係改善を名目に韓国最高裁(大法院)で勝訴した強制動員被害者の意志を無視し、日本の加害企業の債務を韓国政府傘下の財団が代わりに賠償する「第三者弁済案」で日本に免罪符を与えた。そのうえで日本政府の「誠意ある呼応」を促すと述べた。尹政権が日本の歴史歪曲に沈黙し同調する間に、日本は「軍艦島」に続き朝鮮人1500人余りが強制動員され苛酷な労働に苦しめられた佐渡鉱山の世界遺産登載を推し進めている。尹政府が叫んだ日本の「誠意ある呼応」は、一体どこにあるのか。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1109388.html韓国語原文入力:2023-09-2018:35
訳J.S

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