中国が米国の半導体企業マイクロンを制裁すると、米ホワイトハウスは同盟国と共に対抗すると明らかにした。米政界から、韓国企業がマイクロンの中国販売減少による空白を埋めてはならないとの要求が露骨にあらわれたことで、米中「半導体戦争」の火の粉が韓国に飛んでいる。
米国のジョン・カービー国家安保会議戦略疎通調整官は24日(現地時間)、「中国の(マイクロン制裁)措置にともなう半導体市場歪曲に対応するため、主要7カ国同盟およびパートナーたちと緊密な協力を維持する」と話した。最近、米議会では中国のマイクロン制裁に対する報復を要求するなど、強硬対応の声が噴出しているが、特に全世界の主要半導体生産国であり中国向け販売比重が高い韓国に「米国側に立て」という圧迫が集中している。23日には対中強硬派のマイク・ギャラガー米下院中国特別委員会委員長が「中国で活動する外国半導体企業に対する米国の輸出許可が、マイクロンの空白席を埋めることに使用されないようにしなければならない」とし「韓国も空白を埋めることを遮断するために行動しなければならない」と公に要求した。
米政界の強硬論は、10月に終了するサムスン電子とSKハイニックスに対する対中半導体装備搬入規制猶予措置の延長に影響を与えかねないとの懸念も出ている。一方、韓国が米国の要求に従って中国に対する販売を増やすことを拒否すれば、中国が韓国の半導体企業に報復する可能性も高くなる。韓国政府がこうした状況をどれほど厳重に認識し、切実に対応しているか大いに疑問だ。韓国政府は最近、韓国の半導体企業が中国内工場を拡張する際の規制を一部緩和してほしいとの要請書を米政府に提出した。要求が受け入れられるかも明らかでないが、こうしたやり方では韓国半導体企業の中国内競争力は引き続き弱まらざるをえない。
米国は、中国の追撃をかわして自国の先端製造業を強化するために「半導体戦争」の強度を高めている。中国も米国と米国の同盟国に対する半導体依存を減らす目的で、半導体自給政策に全力を集中している。韓国政府と企業の協力と慎重な対応が極めて重要だ。米中二者択一の圧迫を最大限避けながら、時間を稼ぎ被害を減らさなければならない。韓国政府は米国と価値同盟ばかりを叫びながら、米国が韓国の国益まで気遣ってくれるという幻想から脱しなければならない。米国と協力しながらも、韓国の産業の未来、中国との関係を総合的に考慮した経済安保戦略をまとめ、精巧に実行していかなければならない。