本文に移動

[社説]依然として残る「米国の半導体足かせ」、韓国はより積極的に対応を

登録:2023-03-23 06:18 修正:2023-03-23 09:02
米国のジーナ・レモンド商務長官が昨年9月、ホワイトハウスで半導体政策に対する記者会見を行っている=ワシントン/ロイター・聯合ニュース

 米国に半導体工場を建設する韓国企業が米政府の補助金をもらった場合、10年間にわたり中国工場の生産能力拡大を5%以内に抑えるべきという条項が公開された。中国工場のアップグレードが禁止されるかもしれないという当初の懸念よりはやや緩和された内容だが、米国の「半導体足かせ」条項は韓国の関連企業らにとって依然として大きな障害として立ちはだかっている。

 米商務省が21日(現地時間)に発表した半導体補助金の「ガードレール」の細部条項は、中国内の先端半導体工場は5%を超えない範囲で生産能力を拡大することができ、技術開発を通じて一つのウェハー(半導体製造用シリコン板)でさらに多くの半導体チップを作ることは問題にならないという内容だ。当初、米国が制定した「CHIPS法」は米政府の補助金を受け取る企業は10年間中国で半導体生産能力の「実質的拡張」はできないと定めていたが、細部規定で規制を一部緩和した。中国で大規模な先端半導体生産施設を運営するサムスン電子とSKハイニックスにとっては、ひとまず最悪の状況は免れたとみられている。

 しかし、リスクが消えたわけではない。米政府が先月公開した「足かせ条項」は依然として残っている。補助金を支給する代わりに過度な情報の提供を求めるため、韓国の先端半導体技術と営業機密が流出する可能性があり、一定水準以上の収益を出せば補助金の一部を返還しなければならない条項もある。対中国半導体装備の輸出統制に関して、韓国企業が米政府から1年間一時的な包括許可を受けた状態だが、変化が生じる可能性も高い。

 バイデン政権は外交・安保分野では同盟を強調する一方、経済分野では米国優先主義と保護主義を露骨に掲げ、同盟に被害を強いているという認識が広がっている。インフレ抑制法(IRA)で韓国製電気自動車(EV)が補助金の支給で差別を受けたのに続き、対中国半導体規制を通じて米国の半導体産業の復活を優先し、結局韓国が先端半導体技術を奪われかねないという懸念も高まっている。

 米国もこのような反発を考慮し、一歩退いたように見えるが、基本的な政策が変わったわけではない。韓国政府と企業らは「ガードレールの緩和」に満足するのではなく、より積極的に要求し交渉しなければならない。尹錫悦(ユン・ソクヨル) 大統領が4月の韓米首脳会談で再び韓米安保を理由に半導体問題で米国の言いなりになり、後で「善意」を期待する形になってはならない。「大統領に対する歓待」を引き換えに「国の未来」を損ねる愚を繰り返さないでほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1084732.html韓国語原文入力: 2023-03-2300 2:10
訳H.J

関連記事