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[社説] 何が不安で‘キム・インギュ ビデオ’公開記者を懲戒するのか

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/404518.html

原文入力:2010-02-12午後05:47:22(1128字)

<韓国放送>がいわゆる‘キム・インギュ ビデオ’をインターネットに公開したという理由で、キム・ジンウ韓国放送記者協会長に減給2ヶ月の重懲戒を下したという。会社側は‘誠実義務違反’と‘コンテンツ流出’等を懲戒理由に上げたが、公正放送のために戦う記者らに対する露骨な弾圧と見るほかはない。

このビデオは李明博大統領選挙キャンプ特別補佐官出身のキム氏が、昨年11月韓国放送社長に任命されるや記者らが資質検証次元で‘記者キム・インギュを語る’というタイトルをつけて公開したのだ。インターネットで大人気を呼んだこのビデオには、キム社長が過去記者時期に全斗煥・盧泰愚氏と当時政府与党の民正党に露骨に肩入れした報道活動がそっくり含まれている。

韓国放送記者協会は新社長の過去報道内容を分析した結果、キム氏が韓国放送を権力から守ることはできない人物と判断し、この問題を公論化させたと明らかにした。記者として当然にしなければならない仕事をしたのだ。公的人物に対する検証とその結果の公論化は言論人の義務だ。むしろ問題はこの作業が韓国放送の電波を通じてなされなかったという事実にある。それで記者らはやむを得ずインターネットを利用しなければならなかった。

彼らがありもしない内容を操作した訳でもなく、機密資料をこっそりと持ち出した訳でもない。それでも韓国放送側が‘コンテンツ流出’,‘著作権違反’などの言葉尻を掲げて懲戒するのは拙劣で恥知らずだ。キム社長が過去の時期の所信に基づいて独裁政権を称賛したとすれば、率直にそれだと話し国民の評価を受ければ良い。もし過去行跡に恥を感じているならば、ビデオを公開した記者を懲戒するのでなく反省する姿を示すべきだ。

公正放送のために努力する記者らをこのような形で押さえ込むことができると考えるならば大きな錯覚だ。韓国放送記者協会が声明を通じて指摘したように、記者らの正当な活動を抑圧すればするほど公正放送のための戦いはより一層激しくなるだろう。韓国放送全体が視聴者たちから無視されることになるのはもちろんだ。

韓国放送は直ちにキム協会長に対する懲戒を撤回し、記者協会に対する弾圧を中断しなければならない。これは公営放送経営陣ならば、しなければならない最小限の措置だ。キム社長もまた今、自身が果たして当然にいなければならない席にいるのかを考え直してみなければならないだろう。

原文: 訳J.S