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[社説]真の言論改革の意味を省みる時だ

登録:2021-08-30 07:10 修正:2021-08-30 08:06
27日午前、全国言論労働組合などのジャーナリスト業界団体が共同記者会見を開き、共に民主党に言論仲裁法改正案を撤回し、社会的合意に乗りだすよう求めている=キム・ヒョシル記者//ハンギョレ新聞社

 韓国与党の共に民主党が言論仲裁法改正案の本会議での強行処理を予告した30日になった。25日に本会議が延期されてから4日が過ぎた29日になっても、共に民主党の公式の立場は変わらなかった。共に民主党は、懸念の声を無視しての強行を中止し、今からでも言論改革の趣旨を完全に生かせるよう、集団知性を集めなければならない。共に民主党が言論改革に対する国民の関心が高まったことを成果と見なすのであれば、これを真の改革の原動力にするために「2歩前進のための1歩後退」の戦略が切に求められる時だ。

 30日の本会議で野党の国民の力がフィリバスター(無制限討論)を行うことを予告している状況で、共に民主党は、全院委員会を召集するとして対抗している。共に民主党は、30日に法案処理ができないとしても、来月1日の定期国会で最初の案件として上程し処理する計画だという。全院委員会で法案の一部条項を修正したとしても、「国民の力」どころか言論改革運動側の同意も共感も得られない。そのような形での強行処理は、立法の趣旨さえも失わせることになるだろう。共に民主党も理解していないわけではないと思われる。

 共に民主党内では、言論改革運動側の反対を「無知から来る杞憂」程度に見なす雰囲気が今もなお強いという。ソン・ヨンギル代表が「国境なき記者団」の批判に対し「何も知らないから、韓国の言論団体が書いたことを引用する」と応じたことが象徴的だ。メディア報道の弊害を前面に出して立法を強行したとしても、メディアを掌握しようとした過去の権力の態度を多く見てきた言論運動の重鎮たちは、「何も知らないから」というソン代表の言葉をそっくりそのまま返したいだろう。

 メディアに対する規制は、誰も悪用できないようにすることにより、効果も出すことができる。いくら慎重にアプローチしたとしても、やり過ぎにはならない。共に民主党内の強硬勢力は、言論改革運動側や正義党などの「社会的協議機構」の設立要求にも“足を引っ張っている”と見なす反応を示している。善意で解釈したとしても、「今でなければ言論改革立法が水の泡になる」という早急さだけが目立つ。文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後に市民社会による言論改革の立法要求に終始無関心だったのは誰なのか、改めて問いたい。

 現在のメディア報道が示す弊害は、根元から複雑に絡みあう多くの問題に由来する。構造的なアプローチもない「懲罰的損害賠償」のような対処療法だけの言論改革は、不可能なだけでなく、場合によっては、問題だけがより複雑に大きくなりうる。メディア報道による被害を防ぎ、全ての人のための言論の自由も高めるためには、今はまず大きな下絵を描かなければならない時だ。言論仲裁法改正案の強行処理は、そのための機会を共に民主党自らが蹴り飛ばすことであることを、改めて明言しておく。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1009576.html韓国語原文入力:2021-08-30 02:39
訳M.S

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