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[社説]「スポーツにおけるジェンダー平等」の価値を気づかせた新しいユニフォーム

登録:2021-07-29 07:56 修正:2021-07-29 09:18
今月25日、東京五輪予選に出場したドイツ女子体操代表チーム。ワンピースの水着に似たレオタードのユニフォームではなく、足首まで下半身を覆うユニタードのユニフォームを着用した/聯合ニュース

 東京2020五輪に出場した体操女子ドイツ代表チームが、下半身もしっかり覆うユニタードを着て大きな反響を呼んでいる。ドイツ代表チームは「何を着るかは自分で選べるということを示したかった」と明らかにした。極めて常識的な話なのに、大きな話題になっている。同じスポーツ競技なのに、肌の露出の多いユニフォームが特に女性種目に集中している現実がどれほど非常識なのか、また女性がスポーツでどれほど性的に対象化されているのかを改めて認識させたからであろう。

 肌の露出の多いユニフォームは女性選手の注意力に否定的な影響を及ぼすという実証研究もある。たとえ競技力の向上に役立っても、それを選ぶのはあくまでも選手本人でなければならない。しかし、現実は全く違う。先週、欧州ハンドボール連盟は、ビーチハンドボールのヨーロッパ選手権大会に出場したノルウェー女子代表チームが、ビキニパンツを基本とする服装規定を破り、半ズボンを履いたとの由で、一人当たり150ユーロ(約200万ウォン)の罰金を科すことにした。あきれたことだ。

 国際オリンピック委員会(IOC)は憲章で「人種、性などによる差別の禁止」を掲げている。五輪が回を重ねるごとに女性種目が増え、女性出場者数も増加している。東京五輪は女性の割合が48.5%で、過去最高を記録した。望ましいことだ。しかし、選手のユニフォームにおけるジェンダー平等への道のりはまだ遠い。女性選手のユニフォームが重要な興行の要素として見なされており、そこにメディアが深く介入していることは公然の秘密である。五輪が性商品化の舞台にならないためには、まず性差別的なユニフォーム規定を果敢に改革しなければならない。

 韓国アーチェリー女性代表チームのアン・サン選手のショートカットをめぐっても、耳を疑うような時代錯誤のフェミニズム論争が起きた。いかなるアイデンティティや特性についても差別を認めないスポーツ精神が具現化されることで、他の分野にもプラスの影響が及ぶことを期待する。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1005389.html韓国語原文入力:2021-07-28 02:08
訳H.J

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