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[社説]「サムスン電子副会長の仮釈放・赦免に反対」相次ぐ声明…政府は耳を傾けよ

登録:2021-07-20 07:12 修正:2021-07-20 09:00
経実連、民主労総、参与連帯、韓国進歩連帯などの市民社会と労働団体が6日、ソウル鍾路区の世宗文化会館前で「イ・ジェヨン特別赦免・仮釈放反対」の記者会見を開いている/聯合ニュース

 進歩・改革派の学者と市民781人が18日、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長の特別赦免と仮釈放に反対する宣言文を発表した。これに先立ち6日には、経済正義実践市民連合(経実連)、民主社会のための弁護士会(民弁)、全国民主労働組合総連盟(民主労総)、参与連帯、韓国進歩連帯など全国1056の市民社会と労働団体が、「イ・ジェヨン特別赦免・仮釈放反対」の記者会見を、全国7都市で同時多発的に開いた。彼らの主張を一言で要約すれば、「財閥や財閥オーナーだからといって、法の上に置いてはならない」ということだ。「世の中は常識により動かなければならない」という彼らの主張に、政府は耳を傾けるべきだ。

 政府が光復節(8月15日)の際にイ・ジェヨン副会長を仮釈放したり、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が特別赦免する可能性があるという観測が出ている。法務部長官の承認事項である仮釈放は、刑期の60%を満たせば審査対象になる。国政壟断事件で2年6カ月の刑を宣告されたイ副会長は、28日にこの要件を満たすことになる。特別赦免は、法務部が赦免審査委員会を経て対象者を大統領に提案し、大統領が閣僚会議議決を経て最終的に確定する。

 イ副会長の仮釈放や特別赦免は、文在寅政権を誕生させた「ろうそく精神」に逆行する。イ副会長は、朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾を引き起こした国政壟断事件で、86億ウォン(約8億2000万円)の会社資金を横領し賄賂を渡した容疑で懲役刑を宣告された。大統領選の候補時代、文大統領は「財閥の不法な経営継承、皇帝経営、不当な特別恩恵を根絶させる」とし、「横領や背任などの経済犯罪に対する厳正な法の執行と赦免権の制限を推進する」と明言した。イ副会長の事例がこれに該当する。また、公約の趣旨に照らし、仮釈放もむやみに行わないと約束したと解釈するのが当然だ。ところが、文大統領は、5月10日の就任4周年の記者会見で、経済団体を中心に提起された赦免の要請について「十分に国民からの多くの意見を聞き、判断していく」と述べて懸念を持たせ、先月2日の4大グループのオーナーとの昼食の際には「苦しさは理解する。国民が共感する点が多い」と答え、懸念をさらに強めた。

 イ副会長は、国政壟断事件以外にも経営権の不法継承に関連し、不正取引、相場操作、会計粉飾などの容疑で現在裁判を受けている。再度実刑を宣告されることもあり得る者に対して仮釈放や赦免を取り上げるのは、法治主義の根幹を揺さぶることだ。財閥の金の力の前に法がひざまずく時代は終わったと、政府と文大統領は明確に答えなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1004172.html語原文入力:2021-07-20 02:40
訳M.S

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