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[社説]法相と民情首席が「検察人事」で対立、見苦しい

登録:2021-02-18 07:54 修正:2021-02-18 09:39
昨年12月31日、大統領府で新任のシン・ヒョンス大統領府民情首席が、首席秘書官に抜擢されたことに対する所感と覚悟を明らかにしている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 大統領府のシン・ヒョンス民情首席が最近、検事長級の人事をめぐるパク・ボムゲ法務部長官との対立を理由に、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に何回も辞意を明らかにした。文大統領が繰り返し引き止めたが、辞めるという意向を曲げないでいるという。見ていて恥ずかしいと言わざるを得ない。

 多くの状況を総合すると、シン首席の辞意の表明は、検察側の意見をもう少し熟考する必要があるという自身の意見を反映せず、パク長官が検察人事を強行したことに対する不満の表れとみられる。大統領府高官は17日、「法務部長官が(シン首席との)調整が終わっていない状態で(大統領に)人事案を報告し発表された」とし、「パク長官が自身の主張を貫徹して手続きを進めた」と明らかにした。長官が検察人事案を用意することは当然だ。しかし、民情首席と十分に調整し、民情首席を通じて大統領の裁可を求めることも慣行となっている。文大統領が“チュ前法務部長官とユン検察総長の対立”について事実上国民に謝罪し、検察出身のシン首席を抜擢したのは、彼に法務部と検察の意見の違いを仲栽する役割を果たしてほしいという意向だったはずだ。にもかかわらずパク長官は、シン首席の反対を懸念し、文大統領に直接報告して人事を通した。理解しがたい仕事の処理方式だ。

 文大統領の威信も傷つくことになった。与党関係者は、文大統領はシン首席との調整を経たはずだと思い、パク長官の人事案の発表に同意したと説明する。今回の件は文大統領とは無関係だという説明だが、大統領府の業務処理の慣行を考えた場合、容易には納得できない。文大統領が大統領府と内閣を十分に統轄しているのか、任期末期の権力弛緩現象が起きているのではないかという疑問が生じる。国民は、新たに任命されたパク長官とシン首席が1年以上続いた“チュ前法務部長官とユン検察総長の対立”を収め、法務部と検察のどちらも心機一転して変わった姿をみせてくれることを期待した。シン首席の辞意の波紋を大統領府と検察の対立の再現だとみなす見方もあるということを、大統領府は念頭に置かなければならない。

 シン首席も慎重に行動してほしい。シン首席は与党側と法曹界の関係者に「自尊心が傷つけられる。恥ずかしくて、これ以上はできない」という話を何度もしたという。法務部と検察の間の架け橋の役割を十分に果たせるのかという疑心がわいたのだろうが、首席秘書官は参謀にすぎない。大統領に助言はできるが、最終決定権者は大統領だ。大統領と気が合わず一緒に仕事ができないと判断したのでなければ、辞意を撤回してほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/983421.html韓国語原文入力:2021-02-18 02:44
訳M.S

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