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[社説]スター選手らの学生時代の校内暴力、過去の過ちとして隠してはならない

登録:2021-02-17 06:01 修正:2021-02-17 09:39
今後、校内暴力に関わったバレーボール選手は、プロ球団への入団が全面封鎖される。 バレーボールのボールの資料写真=ゲッティ・イメージバンク//ハンギョレ新聞社

 監督やコーチらによる選手への暴力事件が繰り返されてきたスポーツ界で、校内暴力事件まで明らかになり、世間の怒りがわき起こっている。プロバレーボールリーグで活動中の双子の姉妹のイ・ジェヨン選手とイ・ダヨン選手が、中学校の時に同級生の選手らを苦しめたという暴露が出てきた後、国家代表資格の無期限剥奪の重い懲戒を受けたことに続き、ソン・ミョングン選手とシム・ギョンソプ選手も中高時代に校内暴力の加害者だったことを認め、同じ懲戒を受けた。16日にはまた別の女子バレーボール選手に対する暴露も出てきた。文化体育観光部はこの日、学校体育における暴力予防のために、学校運動部の懲戒履歴を統合管理すると明らかにした。これまで政府とスポーツ界は暴力事件が表面化するたびに急いで対策を打ち出してきたが、なぜ類似の事件が絶えず発生するのかということから振り返ってみなければならない。

 校内暴力はスポーツ界だけの問題ではない。芸能人やオーディション番組の出演者などの大衆文化界からも暴露が出てくる。しかし、運動選手の場合、校内暴力を個人の問題としてだけで片付けられない構造に置かれている。訓練生活の閉鎖性とエリート中心の成績至上主義だ。イ・ジェヨン選手とイ・ダヨン選手の加害事実の暴露内容は、ほとんどが合宿所での練習中に起きたことだった。両選手による被害者とソン・ミョングン選手、シム・ギョンソプ選手による被害者は、全員が問題を提起をしたにも関わらず、監督が加害選手をかばおうとしたり問題を隠すばかりだったと指摘した。故チェ・スクヒョン選手に対する苛酷な行為により4年の刑を一審で宣告されたトライアスロンのチャン・ユンジョン元国家代表も、同僚の選手らの間で絶対的な権力を振りかざした。チームの成績のために指導者が実力のある選手という理由で過度の特恵を与え、誤った行動を放置した結果だ。世論が悪化するまでイ・ジェヨン選手とイ・ダヨン選手をかばうことだけに汲々としていた所属チームの興国生命の態度も、これと大きく違わない。

 もはやファンも、スター選手や芸能人だからといって、校内暴力を過ぎ去った過去のことだとして目をつぶったりはしない。それほど暴力を眺める私たちの社会の視線が厳格になったのだ。監督とコーチはもちろん保護者らも、成績以前にこれから育っていく選手が正しい価値観と性格を備えられるよう教育することに力を注がなければならない。スポーツ界の指導者たちは、今回のように校内暴力を始めとするすべてのスポーツ暴力を必ず根絶するという強い覚悟を示すべきだ。そのような意志がなければ、制度の改善と法的な整備も無意味になりうることを、政府とスポーツ界の全員が肝に銘じなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/983241.html韓国語原文入力:2021-02-17 02:41
訳M.S

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