本文に移動

[社説]朴槿恵前大統領の刑確定、“国民の同意なき”赦免は許されない

登録:2021-01-14 19:39 修正:2021-01-15 08:11
朴槿恵前大統領の再上告審宣告公判が開かれた14日午前、ソウル市瑞草駅付近で朴前大統領の支持者がプラカードを掲げている/聯合ニュース

 韓国最高裁(大法院)が14日、“国政壟断”事件で起訴された朴槿恵(パク・クネ)前大統領に懲役20年と罰金180億ウォン(約17億円)、追徴金35億ウォン(約3.3億円)の重刑の確定を言い渡した。2017年4月に朴前大統領が起訴されてから3年8カ月ぶりに、最終的な司法的断罪が下されたことになる。今回の判決は、大統領といえども国民が委任した権力を私物化し不正・腐敗を犯せば厳重な処罰を免れないという教訓を残した。誰よりも朴前大統領自身が重く受け止め、今からでも歴史と国民の前で痛烈に謝罪することを望む。

 刑が確定すると、保守野党勢力からは李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵の両元大統領を赦免すべきとの主張が再び出ている。「国民の力」に所属するユ・スンミン前議員は「『当事者の反省』を要求する与党と支持者の狭量に大統領が振り回されないことを願う」として「国民の目の高さという口実に頼ることをやめ、選挙への利用もするな」と話した。同じ党のキム・ギヒョン議員は、「これ以上遅くなる前に果てしなく増幅された分裂と憎悪の政治をすぐに清算するよう、大統領の条件なき赦免決断を促す」と要求した。同じ党のパク・ヒョンジュン前議員も「大統領が国民統合をする意志があるならば決断しなければならない」と加勢した。

 まったく理解できない主張だ。判決文のインクも乾いていないうちに、前職大統領といえども判決が確定するやいなや赦免しろというのは、韓国社会が苦労の末に進展させてきた「法の前の平等」を破り捨てろと言うに等しい無責任な要求だ。しかも、二人の元大統領は自分たちの誤りについて反省も謝罪もしたことがない。むしろ「政治報復」だと主張し反発している。李元大統領は最高裁確定判決の後、「法治が崩れた。国の未来が心配だ」というあきれた反応を示し、朴前大統領はこの日の最終公判にも出席しなかった。このような状況で彼らが釈放されるならば、統合はおろか韓国社会の分裂と葛藤がますます深まることを心配せざるをえない。最近韓国ギャラップの世論調査で示された国民の意見も、「赦免反対」(54%)が「賛成」(37%)を大きく上回った。「国民の力」もこの日の公式論評では「裁判所の判決を尊重し、国民と共に重く受け入れる」と明らかにした。

 カン・ミンソク大統領府報道官は「民主共和国という憲法の精神が具現化されたものであり、韓国の民主主義の成熟と発展を意味する」と明らかにした。近くある文在寅(ムン・ジェイン)大統領の年頭記者会見では赦免に関する質問が出てくるだろう。文大統領が「国民的同意なき」赦免は考慮しないことを願う。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/978838.html韓国語原文入力:2021-01-14 18:44
訳J.S

関連記事