2回目の朝米首脳会談を2週間後に控え、北朝鮮の労働党機関紙の「労働新聞」が金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の「非核化決断」を高く評価する長文を載せ、注目されている。13日付で載せられたこの論評は、金委員長の決断をアレクサンダー大王が荷車に縛った綱を刃で断ち切ったというゴルディアスの結び目のエピソードにたとえて「想像を超えた重大決断」と紹介した。労働新聞が金委員長の非核化決断の意味をこのように詳細に大きく解説したのは初めてだ。朝米首脳会談に臨む北朝鮮の姿勢と覚悟が垣間見られる。
特に、この文章が金委員長の非核化の決断を「不可逆的なもの」として強調している点に注目する必要がある。「前途が遠いからといって座り込むことはできず、試練と難関が立ち塞いでいるからといって背を向けたり後戻りすることはできない道」という表現は、北朝鮮が非核化路線の他に方法がないことと認識していることを示している。筆者を在日同胞名として婉曲的にしているものの、労働党の機関紙に載せられた以上、北朝鮮の公式の立場と見ても無理はないだろう。
この文の掲載目的は、まず北朝鮮内部の非核化に対する一部の憂慮と不満を落ち着かせようとしていると見られるが、同時に会談を控え米国に対して金委員長の非核化の意思を鮮明に表わそうとしていると見ることができる。これまで北朝鮮は非核化の履行約束を繰り返し明らかにしたが、米国内部では相変らず懐疑論が絶えることなく続いている。北朝鮮が非核化の意思を異例にも強く明らかにしただけに、会談でいっそう果敢な非核化の実行の約束としてこの「決断」が形になることを期待する。
もちろん、北朝鮮が果敢な非核化に出るには米国の十分な相応の措置によって後押しされなければならない。トランプ大統領は、会談は「非常に成功的になるだろう」と明らかにしており、ポンペオ国務長官も初めて「制裁緩和カード」を持ち出した。しかし、まだ北と米国の合意の水準と内容は明らかにされておらず、予断は許されない。朝米両国は今週中に開かれる今後の実務者協議で合意文書をまとめなければならない。首脳会談は第1回に続き、改めて朝鮮半島の命運がかかった話し合いになるだろう。北も米国も毅然とした態度で交渉に臨み、「非核化と相応の対応」の最も良い協調を見い出すように願いたい。