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[社説]スポーツ界の暴力行為を取り扱う独立審議機構の設立が急がれる

登録:2019-01-14 06:55 修正:2019-01-16 07:33
今月10日午前、ソウル中区のプレスセンターで、スポーツ界や市民団体のメンバーらが「チョ・ジェボムコーチによる性暴力事件疑惑関連の真相究明およびスポーツ界での性暴力問題の再発防止を求める記者会見を行っている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 スケート界に続き、柔道界でも指導者による教え子の暴行事件が暴露された。ハンギョレは14日、20代の柔道選手が実名で明らかにした性的暴行被害の主張を報道した。報道内容によると、加害者は日常的な殴打に加え、選手生命の中断を暗示するなどで、威力による性的暴行を繰り返した。様々な面でチョ・ジェボム前ショートトラックコーチの行動と類似している。

 被害者のシン・ユヨンさんは、「シム・ソクヒ選手の告発を見て、勇気を出した。後輩選手たちがより良い環境で運動できることを願って、実名を公開した」と話した。しかし被害者の勇気ある行動にもかかわらず、事件の捜査にはあまり進展が見られないという。この事件を知る女性コーチらが「柔道界での人間関係」などにより、証言を断っているためだ。上下関係とコネでがんじがらめになっている体育界の慢性的な問題が、同事件でもそのまま繰り返されているわけだ。

 スポーツ界の性暴力根絶への誓いが“空念仏”に止まるのも、このためだ。スポーツ界は2007年、女子プロバスケットボールのP監督の強姦未遂事件を契機に、「性暴力指導者の永久除名」原則を明示するなど、数回にわたり性暴力根絶対策を打ち出してきた。しかし、ハンギョレの同日の報道によると、大韓体育会スポーツ人権センターに通報さられた性暴力事件のうち「永久除名」や「資格停止5年以上」など重い懲戒処分は33.3%にとどまっており、多くの加害者が堂々とスポーツ界で活動を続けている。

 専門家らは問題の原因として、コネと温情主義を挙げている。にもかかわらず、通報と調査手続きはこのようなカルテルの城塞をむしろ幇助している。スポーツ人権センターは通報を受けて相談や教育を行うだけで、調査権限を持たないため、加害者が所属している競技団体が一次調査を行う場合がほとんどだという。調査も処罰もきちんと行われるはずがない。事後管理もずさんで、軽い懲戒が終わる前に業界に復帰するケースも少なくないという。猫に魚を預けた格好だ。

 スポーツ界内外から導入を求めてきた「独立審議機構」は、スポーツ界における性暴力問題を構造的に解決するための有力な方案の一つに挙げられる。機構の設立をこれ以上先送りする理由はない。独立審議機構はその構成だけでなく、調査および懲戒の権限においても、体育界から徹底的に独立的でなければならない。管理監督機関に対しても厳重に責任を問わなければならない。米国体操協会にずさんな管理責任を問い、被害者らに巨額の補償金の支給を命じたことで、協会を破産に追い込んだ2016年のラリー・ナサール事件を参考にすることも考えられる。

 スポーツ界の性暴力には、他の分野に比べ、性暴力の本質的な属性がよりストレートに表れている。韓国社会が性暴力からより安全な社会に進むためには、スポーツ界の性暴力の根絶は欠かせない。シム・ソクヒ選手とシン・ユヨンさんの勇気ある行動が、韓国社会に大きな変化をもたらす契機になることを願う。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/878242.html韓国語原文入力:2019-01-14 05:00
訳H.J

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