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[クォン・テソン コラム] 誰が自由民主主義の敵なのか

登録:2013-09-10 08:44 修正:2013-09-11 06:32
クォン・テソン編集人

 セヌリ党のキム・ムソン議員が4日、近現代歴史教室という議員の集いをスタートさせた。 出帆式で彼は「誇らしい私たちの歴史が醜い歴史に卑下されて、韓国を否定する歴史が子供たちに教えられる時、国論が分裂し国が乱れイ・ソクキ事件のような現象として現れる」として「歴史を正す方案を模索して左派との歴史戦争を勝利で終息させなければならない」と話した。 このように彼が歴史戦争の進軍ラッパを吹いた翌日、右偏向事実歪曲で批判を受ける教学社版歴史教科書執筆者らと彼らが属した新右翼系列の韓国現代史学会会員らはシンポジウムを開き、既存歴史教科書が大韓民国を克服対象として見ているとし十把一絡げに批判した。 彼らは現場を訪れたセヌリ党議員らに支援を要請しながら教学社版教科書の批判者を反民主勢力に追い込めと要求すらした。

 ところでちょっと! 自虐史観に陥った既存歴史教育を正し、誇らしい歴史を伝えなければならないというこの主張、どこかで聞いたことがありませんか?

"日本の戦後歴史教育は…日本人の誇りを喪失させるものだった。 特に近現代史では、日本人が子々孫々まで謝罪し続ける運命を持って生まれた罪人の如く扱われている。 冷戦終結後は自虐的な傾向が強まり…従軍慰安婦のような旧敵国のプロパガンダを事実として記述している。 新しい歴史教科書をつくる会は…日本国と日本人の自画像を品格とバランスを持って活写することで、先祖の活躍に心躍らせ、失敗の歴史にも目を向け…教科書をつくる" 歴史わい曲で毎年私たちの社会の指弾の対象になってきた日本の‘新しい歴史教科書をつくる会’の主旨文だ。

 新しい歴史をつくる会が作った日本の中学校歴史教科書に対し、韓国現代史学会の一員であるホ・ドンヒョン教授は「自慢過剰と省察欠如と要約される。 省察が欠如した過去の歴史学習は一つの民族や国家の未来を誤った道に導く」と批判した。 更に歪曲勢力が侵略に対する反省を自虐と罵倒して歴史の記憶に化粧しようとする理由は「日本の侵略戦争を主導した勢力の赤子として帝国日本の昔の版図と栄華を取り戻したいところに求められる」と分析した。

 正しい指摘だ。 問題は新しい歴史をつくる会教科書に対するこのような批判は、彼が支持する教学社版歴史教科書にもそのまま適用されるところにある。 この教科書の筆者クォン・ヒヨン教授は、20世紀の歴史は全体主義に対抗し自由民主主義が勝利した歴史だとし、わが国の近現代史も自由民主主義体制発展の歴史として見るべきだと主張する。 問題のある主張だが、彼の主張に照らしてみてもこの教科書記述はおかしい。 自由民主主義を重視するならば、歴史評価の定規は人権保護と主権在民というその核心価値の具現にならなければならない。 ところが彼は、植民地近代化論に依拠し、民族自決権を蹂躪した日帝とそれに附逆した親日派の復権を試み、民主主義を蹂躪して追い出された独裁者 李承晩を自由民主主義体制を作った偉大な人物として持ち上げた。 朴正熙のクーデターについては米国の支持などを挙論してその不当性を薄め、終身支配のための彼の10月維新は米-ソ連デタントに対する対応として説明した。 全斗煥の光州(クァンジュ)虐殺は戒厳軍の光州掌握過程で多くの犠牲者が出てきたとごまかした。

 なぜだろうか? 彼らの自由民主主義は世界的に通用する自由民主主義に到達せず冷戦的反共主義に留まっているためだ。 だが、彼らが私たちの体制に対する威嚇として浮き彫りにしている北韓は援助で延命する最貧国に転落した。 彼らが言う通り、南北韓の体制競争は南韓の完勝で終わったと言っても過言ではない。 それでも与党代表が第一野党を従北勢力の宿主と非難するなど依然として時代遅れの反共剣舞を踊るのは、それこそが親日勢力とクーデター勢力の赤子である現執権勢力が自由民主主義を僭称して権力を維持してきた基盤であるためだ。 そのような意味で従北勢力の真の宿主は、自由民主主義を歪曲し、時代錯誤的主体思想派が出てくる環境を作り育てた保守右翼勢力だ。 誇らしい私たちの歴史は左派に対する歴史戦争の勝利によって作られるのではなく、過去に対する省察を基にさらに成熟した民主国家に変えていく時に作られるのだ。

クォン・テソン編集人 kwonts@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/602706.html 韓国語原文入力:2013/09/09 18:22
訳J.S(1910字)

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