現代製鉄の唐津(タンジン)製鉄所でこのほど5人の労働者が命を失った。製鋼工場の転炉補修工事をしていて、酸素不足で亡くなったと見られる。この工場だけで最近9ヶ月間に10人が事故で惨事にあったという。安全管理をどのようにしていたらこうしたことが続くのか理解できない。関係当局は事故の経緯を徹底的に確かめて関連者を厳重処罰し、現代側も再発防止に万全を期さねばならない。
今回の惨事の最も大きな責任は安全管理が不十分だった現代製鉄にあるのはもちろんだ。惨事を招いた転炉の耐火煉瓦交換作業は専門的な技術が必要な工事だったという。そのために専門の関連業者である韓国耐火に作業を任せたというが、作業過程で本社社員の管理監督がなかったことが分かった。事故の危険が伴う作業を本社の管理監督なしで進めたとすればそれ自体が誤りだ。いくら下請け業者に全面的に委託した工事としても、工場の中でなされるすべての作業は元請の管理監督の下でなされるのが当然だ。
慢性化した現代製鉄の危険不感症も指摘せざるをえない。昨年9月以後に現代製鉄工場内で安全事故で死亡した労働者が10人もなるという。わずか9ヶ月で10人が命を失って、それ以外の安全事故も相次いだ。口が十個あっても言うべき言葉がないだろう(訳注・いかに取り繕っても言い訳できない)。企業がいくら雇用を創り出して収益を多く出しても、その成果が労働者の犠牲の上になされたのなら意義は半減するほかない。労働者の安全を何より優先するという会社側の認識転換が何よりも必要な時だ。
関係当局も事故責任がないわけではない。現代製鉄で工場事故が相次いだため、民主労総は現代製鉄に対する特別勤労監督を雇用労働部に要求していたという。しかし労働部天安支庁は特別監督の代わりに2週間の現場監督にしていたことが明らかになった。相次いだ惨事を事実上ほう助したわけだ。この過程で現代製鉄と労働庁の間に不適切なことがなかったかも捜査当局が明らかにすべき重大事だ。関係当局が企業の安全管理の実態をまともに管理監督しない場合、これはまさに労働者の惨事につながるという点を肝に銘じなければならない。