朴槿恵大統領とバラク・オバマ米国大統領がこのほどワシントンで開かれた首脳会談で‘韓-米同盟60周年記念共同宣言’を採択したことは注目に値する。だが、朴大統領が今回の訪米期間中に韓-米同盟強化に重点を置いているので、対北韓対話方向への転換に必要な力を得るには不十分に見える。
韓-米同盟60年の成果を整理して将来を構想するのは必要なことだ。実際、共同宣言は安保・経済・グローバル協力強化と国民の間の関係強化に至るまで様々な内容を盛り込んだ。共同宣言に出てくる‘包括的戦略同盟’という言葉はあらゆる分野で積極的に協力するという意味を持つ。ユン・チャンジュン大統領府報道官は‘両大統領が北核・北韓問題と両者間の実質協力を成し遂げる細かい課題についても幅広い意見を交換した」と説明した。しかし韓-米同盟強化が対米一辺倒の外交になってはならないはずだ。朝鮮半島を中心とした東アジア情勢はますます均衡のとれた外交を要求している。
最大の懸案である対北韓政策で、朴大統領は既存の立場より進展した発言をしていない。会談に先立ち彼女は‘金正恩・北韓労働党第1秘書に会えば何の話をするか’という米国
米国もそれほど積極的ではない。ダニエル・ラッセル ホワイトハウス国家安保会議アジア担当先任補佐官は、対北韓政策に関連して‘漸進的関与’をすると語った。これは‘対北韓交渉を始めるには北韓の挑発中断だけでは足りず、非核化のための北韓の追加措置が必要だ’という意味であるようだ。北韓の変化を先に要求する朴大統領の話と別に差がない。米国の官僚は最近の北核・ミサイルなどの問題に関連して中国と韓国の主導的な言動を求める発言をしてきた。これを具体化した表現が‘漸進的関与’ならば残念だ。
朴大統領は積極的な対北・対米政策を通じて北韓の反応を引き出し、米国が懸案解決努力の前面に立つようにしなければならない位置にある。今回の米国訪問で転機を作ることができなければ、いつまでも苦労する事になりかねない。